公益社団法人やどかりの里は,精神障害をもつ人たちが,地域で安心して暮らしていくために必要な生活にかかわる支援活動を推進しております.

ピアサポート倫理ガイドライン

やどかりの里は,「ごくあたりまえの生活の実現」を目指して,1970年から活動を進めてきました.活動当初より仲間同士の支え合いを大切にし,長期入院者への退院支援にもピアサポーターが参画しています.そして,やどかり情報館にピアサポート事業部が設置され,法人内の各所で自身の精神障害の経験を生かして,ピアサポーターとして働く仲間たちが増えてきました.
一方で,私たちピアサポーターは,支援する人たちの人権を侵害する可能性があることに気づいています.そして,社会から信頼されるピアサポートを確立し,ピアサポーターとして働く仲間が増えていくためには,一定のルールを自ら策定する必要性を感じるようになってきました.そして,ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)の策定した「ピアサポート倫理ガイドライン」を参考にして,やどかりの里ピアサポート倫理ガイドラインを下記のように策定しました.

1.目的

私たちピアサポーターは,ピアサポートが市民から信頼される社会資源としての役割を果たせるよう,以下倫理ガイドラインを定めます.
なお,やどかりの里のピアサポートとは,精神障害等を体験し,回復した人たちが自らの経験を生かし,同じ経験をしている人たちに対し,必要なサポートを行うことを意味するものです.相手の話しを聴く,いっしょに考える,出かけることをサポートする,家事などをともに担う,過ごしやすいように環境を整えるなど,さまざまな取り組みがあります.

2.基本的理念

私たちピアサポーターは,人間の尊厳を認め合うことを基本理念とし,自分らしく生きることを支え合います.
また,私たちピアサポーターはピアサポートの社会的信用を高めることを目指します.

3.プライバシー保護と個人情報の取り扱い

私たちピアサポーターは支援する人たち(以下メンバー)のプライバシー保護を徹底します.個人情報を取り扱う場合は,個人情報保護法を遵守し,得られた個人情報は漏えい防止も含めて,責任をもって管理します.

3-A.やどかりの里での個人情報の共有

私たちピアサポーターが,配属された担当部署内でメンバーの個人情報を共有する場合は,共有する人や取り扱う情報の内容を決めておきます.やどかりの里の他の部署の職員や関係機関の職員と情報を共有する場合も同様です.

3-B.情報の公開に伴う責任

会報への掲載,集会での発表,ネット上での公開等に際しては,メンバーが特定されないように配慮します.

4.自己決定権の尊重

私たちピアサポーターは,メンバーの自己決定権を尊重し,メンバーの権利と利益を擁護します.

5.チームワークと自己研鑚

ピアサポートは万能ではありません.私たちピアサポーターは,仲間とともに学び合い,チームの一員としての役割を果たします.
他団体,関係機関,専門職とのネットワークの構築を目指し,ピアサポートの質の向上に向けて自己研鑚に努めます.

2021年1月28日制定
公益社団法人やどかりの里ピアサポーター研修会メンバー一同

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