公益社団法人やどかりの里は,精神障害をもつ人たちが,地域で安心して暮らしていくために必要な生活にかかわる支援活動を推進しております.

グループホーム


2023年度事業計画

 入居者は38人.平均年齢は56歳.加齢に伴う身体疾患や身体機能の低下,生活習慣病などの健康課題に対応できるための支援態勢,支援環境を関係機関と連携しながら整えていく.特に,健康診断や歯科検診の受診をサポートし,疾患の早期発見,早期治療につなげていく.併せて,生活習慣の見直しや生活の立て直しを目指す人には,それぞれにあった形で取り組める支援や活動づくりを進める.
 グループホームの集いをはじめ,エリアやホームごとのミーティングやグループ活動など,仲間づくりや健康づくりの取り組みについても,ピアサポーターと共に進めていく.
 また,ピアサポーターとの情報共有や意見交換を大切にしながら,入居者のニーズの掘り起こしや余暇活動づくりなど,ピアサポーターならではの支援や活動のバリエーションを作っていく.
 

2022年度事業報告

 入居者の高齢化が進む中,日常生活における加齢等による身体機能や健康状態の変化に応じた居住環境や支援環境の見直しや調整を,ニーズを確認しながら進めた.
 定員は54人.新規利用者は3人,退去者は16人.退去者の内,介護保険施設等に10人が移行し,その平均年齢は77.2歳であった.その他,単身生活への移行が1人,他事業所への移行が3人,入院2人であった.また,支援環境の見直しや老朽化した物件から,安全な環境で健康を守って暮らせるよう,グループホームに暮らす7人の居室移動を行った.

1)健康課題や高齢化への対応

 肥満症や糖尿病,呼吸器疾患や腎機能低下,腰痛,皮膚疾患,歯科治療など,通院治療や日常生活の中での配慮やケアが必要な人は約8割おり,医療機関や訪問看護,健康増進チームの保健師,看護師と連携して支援にあたった.
 これまでの生活環境では健康の自己管理が難しくなり,体重増加や糖尿病の悪化が見られた人には,居住環境や日中活動,生活習慣の見直しを本人も含めたケア会議を重ね,ともに取り組んだ.その結果,体重の減量や糖尿病が改善し,仕事や活動にも安定して取り組めるようになっている.
 また,2022年度は,腰痛や転倒による骨折などの影響で,これまでの生活が困難になる人や,身体機能の低下により食事の形状変更や見守りが必要になる人もいた.生活環境の見直しや生活状況の見守り,介助を手厚くするなどの対応をして支援した.
 また,介護保険施設等に移行した人が10人と多かった1年でもあった.生活全般において身体介護が必要になった人や自立的な日常生活が困難になり,生活リズムが崩れた人,医療的ケアが必要になった人などがいた.医療機関や介護保険のケアマネージャーなどと連携し,将来の暮らしについて話し合いを重ね,住宅型有料老人ホームや特別養護老人ホームなどへの移行を支援した.

2)仲間同士の支え合いの環境づくり

 ホームごとのミーティングやルポーズでの女子会開催,買い物ツアーなどの活動に加え,グループホーム全体で集まる,グループホームの集いを下半期に3回開催した.グループホームの制度改革概要,防災,健康診断についてなどの情報共有や,高齢化に伴う心配事,それぞれの暮らしぶり,今後取り組んでみたいことなどについて話し合った.COVID-19の影響でさまざまなイベントなどが開催できなかったこともあり,久しぶりの再会や思いを共有できる機会,情報を得られる機会となり,毎回20人前後が参加した.
 グループ活動「よろこびの会」も継続し,高校野球の観戦を企画し,体験を共有する機会となった.「ツーリングクラブ」は月に2回のペースで継続し,体を動かす機会とした.

3)ピアサポーターと協働のチームづくり

 グループホームでは5人のピアサポーターが働いている.掃除や片付けなどの家事支援を行ったり,通院や買い物への同行,通所前の準備や送り出し,余暇活動やウォーキングの支援など,1人1人のニーズやペースに合わせながら支援した.ピアサポーターと気軽にいろいろな話ができる人も増えてきている.また,ピアサポーターと職員の話し合いを月に1回行い,支援の中で気付いたことや支援方針,今後の取り組みについてなどの意見交換を行った.

4)2023年度に向けて

 サポートステーションとの居住支援チームの連携を強化し,訪問支援のあり方を含め,メンバーが健康を守り,地域で安心して暮らせる支援体制づくりを進める.

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