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2022年度事業計画
宿泊型自立訓練(定員16人),短期入所(定員3人),生活訓練(定員14人),生活介護(定員10人)の多機能事業に取り組み,市内関係機関や精神科病院と連携しながら多様なニーズに対応する.
宿泊型自立訓練については,COVID-19の影響で停滞した退院支援を進めるため,ピアサポーターの養成と支援体制づくりに引き続き取り組む.また,地域定着支援にも重点を置き,訪問型訓練を活用した訪問支援体制づくりを進める.生活訓練は,グループ活動を中心に仲間同士のつながりや生活スキルの向上を目指す.生活介護は,健康づくりを目標に活動を継続していく.短期入所は,市内の関係機関と連携しながら必要なニーズに対応できるようにする.
2021年度事業報告
宿泊型自立訓練,自立(生活)訓練事業,生活介護事業,短期入所の4つの事業を運営する多機能型事業所として,さいたま市内の関係事業所と連携しながら,多様なニーズに対応した.
1)2021年度の重点的な取り組み
(1)当事者支援員事業の受託
2021年度も,さいたま市当事者支援員事業を受託し,当事者支援員の養成と派遣・研修に取り組んだ.この事業は,精神科病院入院中の人の地域移行,地域定着をはかることを目指して,当事者支援員が支援にあたる事業である.しかし,長く続くCOVID-19の影響で,病院への面会や病院からの外泊や外出が制限され,支援の動きをつくることができなかった.こうした状況下でも,退院支援に関わることに取り組み続けたいと,毎月研修会を継続し,新たに退院後の地域定着支援として,定期的に仲間とおしゃべりができる場を設け, 支援員がその場の運営にあたるようになった.
また,ピアサポート事業の協力を得て,ピアサポート養成講座を開催し,退院支援の取り組みについても報告し,あらたな支援員獲得に向けた取り組みを行った.
(2)居住支援チームづくり
宿泊型自立訓練事業を修了し,1人暮らしなど地域での生活に移行した後,極端な体重増加や,内科疾患の悪化等,体調を崩す場合が少なくない.訓練期間中に達成できたことも,地域生活で維持していくことが難しい人がいること,健康を維持し続ける支援体制が不十分であることから,居住支援チームを立ち上げ,ピアサポーターを含めた多職種による支援体制構築のための検討を重ねた.2021年度は,生活実態を把握するために,宿泊型自立訓練修了者の内,健康課題のリスクが高い人や,生活環境整備が必要な人のリストを作成し,グループホームや活動支援センターの協力も得ながら個別訪問を開始した.今後は,生活状況から見えてくる生活課題を整理し,地域定着のために必要となる支援のあり方について再検討していく.
(3)COVID-19感染予防対策
健康増進プロジェクトで,感染対策やワクチン接種の情報,発熱者や感染者が出た場合の対応策を検討しており,それに準じて,サポートステーションでも感染対策に取り組み通常の事業が継続できるように対応してきた.
毎日のミーティングで看護師による,マスクの使い方等の感染予防教育を実施し,1人1人の感染対策の意識向上をはかった.また,CO2センサーを導入し,1年を通して窓を開け換気を徹底して事業を行った.1日3回の検温,館内のアルコール消毒は1日3回職員,メンバーで当番を組んで実施.密にならないプログラム運営や食事時間をグループ分けする等の工夫を重ねた.1人1人が感染予防する努力を継続した1年だった.
しかし,2回(8月・2月)感染者が発生し,通所事業の休業を余儀なくされた.生活訓練や生活介護の通所のメンバーは自宅待機となり,電話連絡で対応した.また,宿泊型自立訓練事業を利用するメンバーは,通院や買い物に行けず,訪問看護等の支援も受けられなくなった.幸い,感染拡大はしなかったが,多くのメンバーの生活に影響を与えることとなった.
新規利用者や職員は,さいたま市で助成されたPCR検査を定期的に実施し,消毒用アルコール等の消耗品の提供を受け,感染予防に努めた.
2)宿泊型自立訓練事業(定員16人)
新規利用者7人.そのうち,精神科病院からの退院が4人,在宅から3人であった.また,5人が退所した.退所後,1人が単身生活を開始,3人がグループホームを利用,1人が体調不良により利用中止となった.
2021年度は,サポートステーションのCOVID-19感染者発生による事業休止で退院時期が延びてしまった人,入院先の病院内でクラスターが発生したことによる退院の延期,医療機関側が感染のリスクを考えて体験利用の中止を判断した人など,利用に向けた準備が停滞し退院を遅らせてしまった.また,事業収入減にも大きく影響した.
3)自立(生活)訓練事業(定員14人)
登録者は17人,新規利用者9人.訓練期間を修了した退所者は10人で,就労継続支援A型に1人,就労継続支援B型に4人,地域活動支援センターに2人,精神科デイケアに1人,若者自立支援センターに1人,1人が体調悪化により年度途中で退所となった.
生活訓練の内,訪問型訓練については,生活支援センターから相談があったが,新規利用となったのは1人のみだった.
また,グループ活動に積極的に取り組み,新たに開始した「ゆずの会」では,話し合いを基本にしながら,コミュニケーションの力をつけ,イベントの企画運営を行った.仮装やダンス披露など,参加者1人1人が活動の主人公になれるよう工夫を凝らした企画となり,グループ活動の成果を見ることができた.
今後も新しく仲間になるメンバーのニーズに応えながら,毎年新たなグループ活動を立ち上げていく.
4)生活介護事業(定員10人)
登録者20人,新規利用者1人.年齢は,27歳から85歳までと幅広い.利用終了となったのは3人で,就労継続支援B型,地域活動支援センター,精神科デイケアにそれぞれがつながっている.
2020年度に生活介護の定員を6人から10人に増員したが,利用希望が多く,年度途中には定員に空きがない時期もあった.1人1人の生活や身体的状況を確認し,介護保険事業の利用に切り替えるなどして対応した.
2021年度は,プログラム全体を見直し,健康増進目的に1日2回の約15分間の体操を日課とした.プログラムでの運動と合わせて,約1年間で歩行が困難だったメンバーが歩けるようになったことは,生活介護事業の役割を実感した出来事であった.
レクレーションでは,季節のイベントを楽しみにしており,外出や買い物の機会が少ない人たちには貴重な体験となっている.
「アートクラブ」や「書道教室」では,アートフル夢まつりに参加し,駅前の銀行ロビーに作品展示し,多くの人に見てもらうことができた.今後も発表の機会を確保できるようにしていきたい.
5)短期入所(定員3人)
COVID-19の影響で,受入れが困難な時期もあり,利用率は47%(2020年度比16.3%増)であった.
利用者の状況としては,近隣トラブルによる一時避難や,骨折で単身生活が難しくなった人など,緊急利用となる人が多かった.利用中にリハビリ通院など支援し,新しい生活環境に移行するまでのサポートを行った.また,家族との距離をとるため,家族のレスパイトのために定期的に利用する人もいた.