公益社団法人やどかりの里は,精神障害をもつ人たちが,地域で安心して暮らしていくために必要な生活にかかわる支援活動を推進しております.

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さぽすて(書道教室)
さぽすて(書道教室)

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2023年度事業計画

 宿泊型自立訓練(定員16人),短期入所(定員3人),生活訓練(定員12人),生活介護(定員8人)の多機能事業に取り組み,市内関係機関や精神科病院と連携しながら多様なニーズに対応する.
 宿泊型自立訓練については,さいたま市地域移行・地域定着支援連絡会との連携を強化し,ピアサポーターによる退院支援を充実させる.特に,今年度は市内精神科病院への定期的な訪問活動を進め,退院後の地域定着支援のための訪問活動にも取り組む.
 生活訓練は,グループ活動を中心に活動を進める.具体的には,社会資源の見学や体験,基本的な生活習慣,生活スキルの獲得などを仲間づくりも意識しながら取り組む.生活介護は,体力維持向上や余暇活動の充実など,健康づくりを目指した活動を中心に取り組む.
 短期入所は,市内の関係機関と連携しながら必要なニーズに対応できるよう体制を整える.

2022年度事業報告

 宿泊型自立訓練,短期入所,生活介護,自立訓練(生活)の多機能型として取り組み,市内関係機関や精神科病院と連携しながら多様なニーズに対応してきた.

1)2022年度の重点的な取り組み

(1)プログラム活動の充実

 4月と10月に自立訓練(生活)と生活介護のプログラムの改定を行った.新しいプログラムは,利用者との話し合いとアンケートを基に決定し,1人1人の利用目的や支援計画に応じた内容になるよう努めた.
 2022年度は,「働くことを考える」「サポステ卒業後の生活を考える」等のテーマでグループ活動に力を入れた.活動の中心は話し合いとなるが,話すことが苦手だという人も多く,グループの皆でダンスに挑戦し発表する機会をつくった.こうした経験をきっかけに,就労継続支援B型事業所の利用に進めた人もおり,グループ活動の意義や成果をみんなで共有できた.
 また.アート作品の展示やハロウィンの仮装,けん玉やコマの実演など,プログラム活動の成果を発表する機会を積極的に作った.

(2)感染予防対策の徹底

 法人のガイドラインに沿って,感染予防対策を継続した.またワクチン接種の申し込みや接種のサポートも,地域の医療機関と連携して丁寧に行った.
 11月に宿泊型自立訓練の入所者が発熱し,入所者全員1週間の隔離生活となったが,日頃の感染対策の効果もあり,クラスターを回避することができた.また,感染の影響で職員が出勤できない状況もあったが,事業継続できる体制を整え,乗り切ることができた.
 昨年に引き続き,さいたま市の助成を受け職員と新規利用者へのPCR検査と抗原検査キットを随時活用した.

(3)当事者支援員事業の受託

 さいたま市当事者支援員事業を受託し,当事者支援員の養成と派遣,研修に取り組んだ.2022年度もCOVID-19 の影響が大きく,精神科病院への訪問や退院に向けた外出や外泊ができなかった.そのため,地域定着支援に重点を置いて,すでに退院した人の自宅を訪問したり会食するなど交流の機会をつくり,地域生活安定のための支援を行ってきた.
 毎月定例研修を開催し,精神科病院への訪問再開に向けて,ピアサポーターが退院をいっしょに考えていくことを伝えるパンフレットの作成を行った.また,ピアサポート養成研修への参加や,さいたま市地域移行・地域定着支援連絡会にも参加し,市内精神科病院におけるCOVID-19 の影響や,今後の退院支援の見通しについて話し合い,ピアサポーターの訪問の再開を強く要請した.

(4)地域に活用される社会資源として

 精神保健福祉士や看護師の資格取得に向けて学ぶ学生実習の受け入れを積極的に行った.また,学生ボランティアやプログラムの講師としてもボランティアの協力を得た.さいたま市シルバーポイント事業の受け入れ施設の指定も受け,今後より多くのボランティアとの出会いや協力を得られるようにしていく.
 また,バザーや地域イベントの中止が続く中,「よみさんぽ」の定期的な配布や,つなぐ・つくるプロジェクトの地域巡回のチラシ配布など,ウォーキングプログラムの機会に一件ずつポストに投函した.やどかりの里の活動を地域に伝える取り組みでもあり,その中で地域の人との交流も生まれた.
 

2)宿泊型自立訓練事業(定員16人)

 新規利用者は8人.その内精神科病院からの退院が5人,リハビリ病院からの退院が1人,在宅からが1人,グループホームから1人であった.退所者は7人で,2人が単身生活を開始し,4人がグループホーム利用,1人が体調不良のため利用中止となった.
 利用に至る理由として,家族が高齢となり,家族と離れて生活するために利用したいという希望が増えている.家族の介護力の低下が理由で急に自立を迫られるのではなく,本人がどこで誰とどのような生活をするかを考えられる支援の必要性が課題として見えてきた.
 訪問訓練については,利用相談があったが,実利用につながらず,生活支援センターと連携してニーズを探ってきたが,2023年度は通所訓練のみとしていく.

3)自立(生活)訓練事業(定員14人)

 登録者は15人.内,新規利用者は4人で,宿泊型自立訓練の利用と合わせて日中の生活訓練を利用しており,自立訓練のみの新規利用者はいなかった.訓練期間を終了して退所した人は5人で,就労継続支援B型事業所に1人,地域活動支援センターに2人,就労移行支援事業所に1人,日中支援型グループホームに1人がつながった.
 2022年度の新しいプログラム活動の1つで,仲間同士のつながりや生活スキルの向上を目指した「イケオジ倶楽部」では,男性メンバーが整容やおしゃれについて学び合い,最後はファッションショーを開催して活動の成果を披露した.

4)生活介護事業(定員10人)

 登録者は16人で,内新規利用者2人,退所者は7人であった.退所者の内3人が介護保険事業所の利用となり,2人が体調不良による入院,就労継続支援B型事業所に1人,機能訓練の事業所に1人が移行した.
 平均年齢も64.9歳と高く,健康課題を抱えている人が多いため,健康づくりを目標に活動を継続してきた.「ゆるゆる体操」では毎回新しい身体を使ったゲームに取り組み,タオルを使った綱引きやストローで的を吹き飛ばす競争など,無理なく身体を動かすことができ,笑顔が溢れる時間となっている.
 2022年度は,脊柱管狭窄症や圧迫骨折といった病気の発症を機に,自立度が低下し介護保険サービスに移行し退所せざるを得なくなる人が多かった.

5)短期入所(定員3人)

 利用率は59.2%(前年度比12.2%増)で,COVID-19の影響で利用制限していた時期と比較して増加した.
 利用者の状況としては.家族のレスパイトのために定期的に利用する人,単身生活の継続が難しくなり新しい環境に移行するまでの間利用する人,家族と離れる時間を持つための利用など,多岐にわたるニーズに対応した.

6)2023年度に向けて

 自立(生活)訓練と生活介護の利用者数が減少傾向にある.その背景には,精神科病院からの退院支援が進んでいないこと,加齢に伴い介護保険サービスに移行する人が増えてきたことなどがあり,地域に選択できる事業所が増えてきたことも関係しているといえる.
 2023年度は,自立訓練(生活)・生活介護事業の定員を各2人ずつ減らして体制を整える.また,市内関係機関や精神科病院との連携を進め,ニーズの掘り起こしや新たなニーズに対応できる体制を整えていく.

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