公益社団法人やどかりの里は,精神障害をもつ人たちが,地域で安心して暮らしていくために必要な生活にかかわる支援活動を推進しております.

サポートステーションやどかり

KAIKAN-G
〒337-0043
さいたま市見沼区中川562
Tel.048-687-2834 Fax.048-686-9812

さぽすて(書道教室)
さぽすて(書道教室)

写真をクリックすると拡大表示します.

2016年度事業計画

サポートステーションやどかり

 今年度も多機能型事業所として,以下の4つの事業に取り組む.
 ① 自立(生活)訓練(定員14名)
 個別支援計画に基づいて3か月毎の見直しを行いながら,集団で行うプログラム提供を行っていく.
 ② 生活介護(定員6名)
 昨年度実績から定員の見直しを検討し,定員変更を進めていく.通所することで生活リズムを安定させ,健康面へのサポートを重点的に行っていく.
 ③  宿泊型自立訓練(定員16名)
 精神科病院に入院中で定期的に体験宿泊を行いながら入所に向けた準備をしている人が多くいるため,入所までのアセスメントを十分に行いながら利用を進めていく.
 ④ 短期入所(定員3名)
 休息,緊急など利用目的に応じて対応できるよう,市内関係機関との連携をとりながら対応できる体制を整える.

<重点課題>
 ① プログラムの充実
 生活(自立)訓練・生活介護の通所事業に関しては,昨年度実績に基づいてプログラムの再編を行い,仲間づくりを中核としたグループ活動や生活技術を習得するためのプログラムなどニーズに基づいて多様に実施する.
 ② 地域移行・地域定着の強化
 宿泊型自立訓練については,地域移行を進めるために,さいたま市地域移行・地域定着支援連絡会に参加し,市内関係機関と連携しながら,ピアサポーターによる支援を導入していく.また,地域定着を進めていくために,事業終了後のアフターフォローの体制を強化していく.
 ③  地域とのつながりをつくる
 やどかりテラスを活用しながら,地域交流を目的とした企画を実施する.また,ボランティア受け入れを積極的に進め,地域とのつながる機会を創り出していく.

2015年度事業報告

サポートステーションやどかり

 宿泊型自立訓練事業(定員16人)・自立訓練(生活)事業(定員14人)・生活介護事業(定員6人),短期入所事業(定員3人)の4つの事業を行い,関係機関と連携して新規利用者の受け入れのために見学・体験利用を行い,多様なニーズに対応できる態勢づくりを進めてきた.また,昨年に引き続き,当事者支援員(ピアサポーター)事業を受託し,さいたま市における地域移行支援・地域定着支援を進める人材養成と精神科病院に入院中の人たちに向けた個別支援をはじめとした支援態勢を整えてきた.
 施設内の環境整備として,利用者が安全に利用できるよう浴室の改修工事と古くなった各居室の緊急ボタンを新しく整えた.

1) 今年度の特徴的な取り組み

(1)当事者支援員(ピアサポーター)事業の受託

 昨年度より,9人が当事者支援員として雇用契約を交わして地域移行支援に関わる仕事を行ってきた.今年度は,1人が契約終了となり,1人が新たに実習を始めている.
 今年度の大きな取り組みとして,各区10か所の障害者生活支援センターとともに,さいたま市内の精神科病院から長期入院の対象リストに上がっている人たちへの訪問調査を行った.当事者支援員の視点から,どのような支援や態勢があれば退院できるのか,本人の退院に向けた不安は何か等の,1人1人の課題を整理し,さいたま市地域移行・地域定着支援連絡会議で検討することで,地域移行支援が進むよう取り組んできた.
 また,毎月1回,研修の機会をつくり,当事者支援員が関わりの中で困ったことや対応について共有してきた.

(2)地域交流の機会として

 昨年度末に完成した「やどかりテラス」を活用して,地域の方を招いた「小さな小さな音楽会」を開催した(詳細は48ページコンサート委員会参照).近隣住民や自治会長,自治会役員など,多くの方に来ていただくことができた.「聞こえてくる音楽に合わせて,一緒に歌っていました.どんな所か来てみたかった」「ゆっくり楽しむことができた」などの感想をいただいた.また,中川自治会の行事にも積極的に参加した.今年度は,自治会より応援の要請があり,ふれあい広場の水道工事,盆踊り大会や運動会の会場準備の手伝いを行った.盆踊り大会や運動会では,当日も利用者とともに参加し,楽しい時間を過ごすことができた.

(3)健康増進の取り組み

 今年度は,看護職員とともに利用者の健康増進に向けて,5月と3月に体力測定を行った.その結果を受け,日々のウォーキングやストレッチなどを行い,体力づくりを進めてきた.また,健康増進プロジェクトと連携し,事業所内の感染症対策として,水回りや共同利用の場での環境衛生の改善に努めた.具体的には,各階の出入り口にアルコール消毒の設置,うがい・手洗いのための準備などを行った.

2) 宿泊型自立訓練事業

 今年度も,精神科病院に入院中の人たちに向けた退院までの支援,退院してからの生活を整える支援,地域生活への移行に向けた支援に取り組んできた.体験利用者は23人,新規利用者は7人,退所者は10人であった.

(1)宿泊体験による地域での生活課題を整理するための支援

 さいたま市地域移行・地域定着支援連絡会に参加し,市内の各関係機関と連携して宿泊体験の受け入れを行ってきた.今年度の精神科病院入院中からの体験利用者は21人であり,その内,4人が正式利用につながっている.体験利用者の多くが,空き室の待機者であった.入所に向けて,体験を重ねる中で利用者や職員と関係を築き,入院中にはわからなかった生活課題を本人,家族,関係機関と共有することができた.その上で,安心して生活するための支援は何かをいっしょに考え,退院に向けて進めた.

(2)入所後の生活が安定するまでの支援

 入所してからは,定期的に個別支援計画を見直しながら,健康的な生活習慣と食生活を身につけていくこと,生活力・生活技術を学ぶこと,仲間とのつながりをつくることを目指して支援を行った.毎月1回,入所者ミーティングを行い,一緒にすごすための最低限のルールや生活の中で困っていること,生活の知恵などをお互いに確認する場となった.お互いの体調や生活状況を知る機会となり,退所後もつながり続けるきっかけになった.一方で,入所してから,不眠が続いたり,食事や服薬が不規則になることで,体調を崩す人たちもいた.今年度は2人が精神科・内科に入院となり,家族や関係機関と連絡を取りながら,入院中も病院へ面会に行き,本人への生活面での支援を継続した.
 また,居室の定期的な清掃や洗濯,入浴の習慣を身につけられるよう当事者支援員(ピアサポーター)の協力も得て支援を行った.健康管理,食生活については,看護職員による個別指導や共通の課題を持った仲間同士での運動を取り入れるなどの態勢を整え,取り組んだ.

(3)地域移行に向けた支援

 入所後の生活が落ち着き,ある程度自分らしい生活習慣ができた段階を見極めながら,退所に向けた具体的な準備を進めた.今年度の退所者10人の内,3人が単身アパート,6人がグループホーム(他法人含む),1人が高齢者住宅へ移行した.利用者の状況に合わせて,物件探しを一緒に行った.中には,すぐに見つからず,探し始めてから約半年間かかった人もいた.
 入所中に,就労移行や就労継続B型事業所,地域活動支援センターへの通所を進め,地域の社会資源とのつながりをつくり,地域移行後の生活を想定した生活習慣を整え,退所に向けた準備を進めた.

3)自立訓練(生活)事業・生活介護事業

 1人1人のニーズに合わせて,集中力や生活技術,コミュニケーションの力を高めていくもの,創作活動,文化活動,体力づくりなど,多様なプログラムに取り組んできた.また,当事者支援員(ピアサポーター)と協力してカラオケ大会を企画するなど,レクリエーションにも取り組んできた.今年度の登録者は,3月末時点で自立訓練(生活)事業28人,生活介護事業26人であった.

(1) 利用者の状況とニーズ

 自立訓練(生活)事業の新規利用者は15人で,その内6人が宿泊型自立訓練事業の利用者であった.利用者の多くが将来についての不安や心配があり,「家族が高齢になって頼ることができなくなった」「将来1人で生活できる力をつけたい」「就労に向けて生活リズムを整えたい」等の目的で利用につながった.まずは,プログラムを通して,定期的な通所を継続すること,通所に向けて体調コントロールができることを目指して支援を行った.また,事業終了となった人は12人で,就労移行や就労継続B型事業所,地域活動支援センター等へ移行した.終了者の内,働くことが難しい,継続した健康面での支援が必要になった,自力での通所が困難,といった課題が明確になった人は,関係機関と相談の上,生活介護事業の利用へと切り替えを進めた.
 生活介護事業の新規利用者は5人で,20代1人,60代4人であった.退所者は2人で他事業所へ移行した.昨年同様,在宅中心の生活によって体力が低下し,身体的なケアを必要とした人,家族関係のストレスで体調を崩しやすい人,生活リズムが整わない人など,さまざまな目的であった.生活介護事業を利用する人の多くが,健康面での支援が必要であった.そのため,看護職員による血圧・体重測定,身体機能の低下を予防するための運動指導,清潔を保つための入浴や体調に合わせた食事指導などを行った.今年度は,浴室の改修工事を行い,入浴介助ができる広さが確保された.身体機能の低下により,1人で入浴することが難しかった利用者にとって,安心できる環境を整えることができた.

(2) プログラム活動

 利用者のニーズに合わせ,ボランティアの力も借りて,プログラム活動を進めてきた.特に,今年度は4回,季節に合わせた音楽を聴きながら自由に絵を描いていく「ミュージックでアート」の企画・運営を行った.毎回,ボランティアが,作品作りから展示までの準備を担当した.毎回楽しみな企画となっており,参加者も「絵を描くのは久しぶり」「季節を感じる絵を描くことができた」など感想を話している.
 また,革工芸では,基本の染色の技術が向上した人たちも増えてきたため,名前キーホルダーの作成・販売に取り組んだ.今後は,販売数を増やし,生産活動として参加者のモチベーションにつながる活動にしていく.

(3) 仲間づくりの活動

 利用者のニーズに合わせて,同じ目的・目標を持った人たち,3~7人ほどで集まり,グループ活動として固定のメンバーで取り組んできた.
 これまで余暇活動として行ってきた日曜日の調理プログラムを,今年度より1人暮らしに向けた簡単調理を目的に,改めて利用者を募り,「ひまわりの会」として取り組んだ.買い物,調理,振り返りをワンセットとして行い,1人でも簡単にできるよう,レトルトや冷凍食品を活用して調理してきた.
 昨年度より始まった自立訓練(生活)事業を利用している人を対象にした「わたげの会」は,参加者が事業終了となり,順に退所となった.そのため,今年度2月末で一旦終了し,来年度より新しくメンバーを募っていく.また,「青空の会」では,外出の機会を定期的に作り,これまで病気をしたことによって体験できなかったこと,やってみたいことに取り組んできた.グループ内での活動で自信をつけ,年度後半には事業所全体のイベント企画を運営するなど,生活体験の充実を図る機会をつくってきた.さらに,昨年度末に立ち上げた「女子会」「男子会」は身だしなみを整えること,趣味や楽しみを一緒に体験することを,当事者支援員(ピアサポーター)と協力して進めている.
 「さぽすてカフェ」は,参加者を固定せず,その時に集まったメンバーで,テーマを決めて語り合うプログラムである.コーヒーを飲みながらゆっくりとした時間を過ごしている.仲間同士のやり取りの中から,普段はあまり聞くことができないような思い出話などを聞く貴重な機会となった.

4) 短期入所(ショートステイ)事業

 障害者生活支援センターや支援課と連携し,家族と距離をとりお互いの休息のための利用,家族の外出時の利用,1人暮らしに向けた練習のための利用,生活リズムを整えるための利用,緊急時の利用と多様なニーズに対応してきた.今年度の実利用者は25人で,その内,20人が家族同居であった.家族の都合で2週間以上の長期的な利用になる人や毎週末に定期的な利用を継続する人もいた.また,ショートステイの利用から宿泊型自立訓練事業の利用につながった人が2名おり,今後は単身生活に向けて進めていく.

5)今後に向けて

 今後も市内の関係機関と連携しながら,多様なニーズに対応できる態勢整備と共に,プログラムの充実を図っていく.また,生活介護事業は,今年度の年間利用率が99%となり,今後の利用者受け入れのため,定員変更を検討していく.

PAGETOP
Copyright © 公益社団法人やどかりの里 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.