<1面
記事>
第30回 定期総会開催
5月19日(土),社団法人やどかりの里第30回通
常定期総会が開催された.例年4月に開催される総会が5月になったのは,やどかりの里の事業規模,会計規模が大きくなり,4月中に決算を行い書類を作成するのが事務的に困難になったのが大きな理由である.
5月1日現在,やどかりの里の会員数は396名であり,当日は委任状提出者187名,出席者78名で総会は成立した.
さて今回は30回目という節目の変革を感じさせる大切な総会であった.冒頭の理事長の挨拶も世代交代,そしてやどかりの里の組織の再構築を感じさせるものであった.
「私は理事会で理事長交代を申し上げた.理由は国との折衝,大学での仕事など外との交渉に大きなエネルギーを注ぎ,大きな組織となったやどかりの里との関わりが薄くなってきたからだ.体力的な問題もある.内部的には生活支援活動を担う職員も経験10年を過ぎ,仕事を任せられるようになった.私は大学で専門家の養成をしたい.この1年は理事長を引き受けるが,大きな時代の変わり目に次の時代を考えながら,やどかりの里の組織運営を1年かけて検討して欲しい.30回の節目,様々なことが議論される重要な1年となる」
議長は土橋副理事長が務め,以下のように議事進行がなされた.
第1号議案 平成12年度事業経過報告
第2号議案 平成12年度収支決算報告
第3号議案 平成12年度監査報告
第4号議案 平成13年度役員改選
第5号議案 平成13年度事業計画案審議
第6号議案 平成13年度収支予算案審議
第7号議案 理事会のあり方を考える会の発足について
第8号議案 やどかりの里の2つの調査から導き出された課題について
第1号議案,第2号議案は一括して報告,審議となった.続いて,監事の石井俊子さんより,平成12年度会計は適法に処理されている旨報告があり,第1号議案ならびに第2号議案は承認された.
次に役員改選の年に当たり理事会より新たな理事態勢が提案された.本紙4月号で報告された案が修正され,湯浅和子理事の辞任が加えられた.また新監事に吉田悦実氏を推薦する旨提案され,審議の結果
第4号議案は承認された.今回は1年間の暫定理事会となる.
第5号及び第6号議案の平成13年度の事業計画案と収支予算案も一括審議となり担当者より説明があった.質疑応答のあと審議に入り全員一致で承認された.
今後のやどかりの里の組織にとって重要な,第7号議案の理事会のあり方を考える会の発足についても異議なく承認された.また第8号議案は時間をかけて継続して検討していくべき課題であることが確認され,今後の総会において年度毎に見直していくべき事項であることが承認された.
<2面記事>
大きな転換点に立つやどかりの里
第30回定期総会から見えてきたこと
やどかりの里の30回目の定期総会が終了した.30年という大きな区切りを実感させられるものであった.
第7号議案として提案された「理事会のあり方を考える会」の発足も,やどかりの里の組織の転換を意識したものである.社団法人は,会員が出席する総会で法人としての方針を決定できるという大きな特徴がある.そして,総会での決定事項を執行するのが理事会である.活動が広がり,構成メンバーも増えたやどかりの里にとって,どのように理事会が機能していったらよいのかを,検討する会である.その中では,やどかりの里の今後の方向性も検討することになるであろう.
そして,やどかりの里に集う人たちが主体的に法人会員となり,ともに活動を担っていくことが,やどかりの里の大きな特徴でもある.このことにどのような意味があるのか,再度考えていくことも重要であろう.
この,あり方を考える会は,今年度常務理事となった増田を中心に,外部の方にも委員になっていただき,メンバー,家族,職員,現在の理事も加わり,検討することになる.
もう1つの転換点は,状態調査から導き出された5つの課題を,やどかりの里の総会で承認されたものとして,継続的にやどかりの里の総会で確認していこうという決議である.本紙前号に5点にわたる課題を掲載した.かなり大きな課題であり,すぐに対応しなければならないこと,時間をかけて取り組んでいくことがある.1年ごとにそれらにどのように取り組んでいったのか,振り返りつつ,見通
しを持っていく必要がある.それを定期総会で行っていこうということである.
さて,最近の本紙では,「状態調査」という言葉がたびたび登場する.しかし,「状態調査」について,説明が不足していたことに会員からの意見で気づかされた.ここで改めて,「状態調査」について触れておきたい.
もともと農業経済の分野で,農家の実態を掴むために始まった取り組みであった.その後,労働組合でのさまざまな問題についても取り組まれ,ここ5年ほどは各地の保健婦活動の現場でも取り組まれている調査である.保健婦活動での取り組みを聞く機会があり,その考え方に共感し,やどかりの里でも自分たちの活動の振り返りや見通
しを持つために取り組めないだろうかと考えたのが,やどかりの里が状態調査に取り組むきっかけであった.共感した点は,「調査する人間が聞きたいことを聞く調査ではなく,話し手が本当に話したい,聞いて欲しいことを中心にすえる調査である」ということであった.
そして,じっくりと話し合いを行い,その話し合いをいくつかの柱立てに従って整理し,まとめた報告集が編集された.その結果
をもとにして,調査者,被調査者はもとより,やどかりの里の多くの人たちが参加した報告集会,およびその結果
を受けての話し合いから導き出されたのが,前号に掲載した5つの課題であった.(詳細は「響き合う街で」18号,8月発行予定)大変重みのある課題である.
社会の動きや情勢の変化を見極める力量をつけ,関わる人の思いや考えを集約しながら,やどかりの里の方向性を見出していくことが,これからのやどかりの里の歩み方であろう.そのためには,まず継続した系統だった学習が欠かせない.メンバー,家族,職員が主体的に学習に取り組むことが重要であろう.(増田 一世)
<第3木曜会報告>
「セルフヘルプネットワークからの報告」
「やどかりの里の原点を感じさせる時間」
5月24日(木)に開かれた木曜会では,前半に報告事項,後半で定期総会の後に設けられた学習会「志村澄子氏から学ぶやどかりの里の原点」を受けての討論がなされた.
まずは,「セルフヘルプネットワーク」の本館2階利用についての報告があった.5月8日,メンバー6名が集まり,掃除,備品,カギ等の管理について話し合った結果
が報告された.ピアカウンセリング等の独自の事業として活動する費用に関しては実費で負担しても,消耗品や光熱水費等は法人負担でも良いのではないかとの意見も出た.今後広く法人会員の交流の場としても活用したいとの希望もだされ,話し合いを進めていくことになる.
「来日メンバー受け入れを考える集い」からは,米側のメンバーが来日していることもあり,急遽26日に話し合いを持つことの報告があった.そこでは,交歓会をお互いの活動を学び合う場としたいとの思いや,現状では今年度やどかりの里側でメンバー中心に受け入れることは難しい等の考えを伝えるとのことだった.
その他,先日開かれた生活支援活動の料金体系説明会での話し合いを受けて,職員からの提案があった.特に緊急時のケアについての意見が多かったこともあり,危機的状況での対応について,メンバーと職員で共に話し合う機会を持ちたいと発言された.6月中にその話し合いが予定されている.
後半は学習会を受けての討論がなされた.学習会では,志村のおばさんが,息子さんが発病し,四苦八苦しながらも決してあきらめずに道を切り開いていった話であった.途中,当時を思い出して涙ぐむおばさんの姿があった.
感想では様々な声があがった.おばさんのやさしさの裏側にある,決してあきらめない強さ.その力はどこからくるのだろう.息子さんが発病したときにも病気に対する偏見を持とうとしなかったおばさん.どうしてそうだったのだろう.
決してあきらめず,現実から1つ1つ体験しながら学んでいく.時に楽しむことも忘れずに,息子さんをはじめ多くの人々と共に歩んできた.そんなおばさんの人生に感動しつつも,自分自身を振り返り,自らの生きざまを問い直す感想も少なくなかった.言葉に脚色がなく,またフィルターを通
さずに,目の前に現れた人を無条件に受け入れるおばさんの人柄.やどかりの里の原点がここにあるとの話も出た.
今後やどかりの里に関わる人々が受け継ぐべき本質が語られた.そして1人1人が自分の活動の中で何が大切なのかと自覚していかなければという意見もあった.
おばさんの話を聞き,自分の中で揺さぶられたものがあったならば,それはとても重要である.そこから各々の一歩が始まると感じさせる時間であった.
(機関紙編集委員 高村 美鈴)
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