-TOPICS-

機関紙「やどかり」5月号
(2002.05.15発行)


<1面 記事>


住民の願いや思いを施策化するために

 現在さいたま市では,3市合併したことに伴い,保健福祉総合計画,障害者計画などの策定を進めている.障害者計画は,平成15年度制定に向け検討協議会が作られ協議を進めている.策定委員は20名で,精神保健福祉の団体からは,家族会の代表者とやどかりの里の理事長が参加し,他の障害者団体からも選出されている.検討協議会では,計画の理念や具体的な内容などについて協議される.

 3月28日には第2回目の障害者計画検討協議会が開かれ,障害者の生活状況の実際を把握して基礎資料とするために配布されたアンケート結果 について協議された.市民の傍聴ができるため,やどかりの里からもメンバー2人,職員2人が参加した.検討協議会では,アンケートは障害者の暮らしの実態を表しきれていないことが各委員から述べられた.様々な障害をもっている人たちの暮らしは様々に違うはずだが,内容は画一的で暮らしの実際を把握していない人が作成したため,その内容には限界があることが確認された.また,前日に開かれた保健福祉総合計画の傍聴にも職員1人が参加した.

 やどかりの里の私たちは,さいたま市の施策へ関心を寄せるようになっている.障害者計画の策定がどのように進められていくのか,私たちにとってどういった施策や計画が必要なのか,政策を他人事と捉えず,自分事として考えていこうという意識が強まっている.
 最近では,市内の障害者団体との学習会にも参加し始めている.この学習会は,障害者計画の策定委員の1人でもあり,ご自身も車椅子の生活を送る傳田ひろみさん(OMIYAばりあフリー研究会代表)の呼びかけから始まった.「現場の声を計画づくりに反映させていきたい」という彼女の思いに共感した市内の障害者団体の関係者の集まりである.1月から始まったこの学習会は,月に1回のペースで開かれ,やどかりの里からも,メンバー,職員合わせて7人が参加している.様々な障害者団体の人たちが集まっていることから,お互いをよく知り合うことから始め,障害者計画検討協議会の進行状況に合わせて学習を進めている.初回から参加している増田は,「様々な障害を持った人たちとの学習は,コミュニケーションをどう図っていくのかがまず問われ,学び合うことは,お互いの努力が必要」と感想を述べている.

 こうした学習会が,市内の障害者団体の横のつながりをつくっていく第一歩になるのであろう.1人の声に共感した仲間たちのつながりが,やがて大きな動きとなっていく可能性を秘めている.
 今後,当事者が政策に参画していくことを目標に据えながら,障害種別を越え,学習を基盤にしながら,私たちの声を自治体に届けていく取り組みをたゆまなく続けていかなければならない.単に自分たちの主張を押し通 すのでなく,対話と共感に基づきながら,互いを理解し合い,私たちの思いや願いを施策化していくことが,これからのやどかりの里の新たな挑戦であろう.

 


<第3木曜会報告>

2つの計画づくりにかかわる話し合いと学習会の報告

 4月18日に行なわれた第三木曜会では,さいたま市の保健福祉総合計画審議会と,障害者計画検討協議会,障害者計画学習会について報告がされた.

<さいたま市保健福祉総合計画審議会報告>
 審議会の傍聴をした宗野政美さんから,さいたま市における保健福祉の施策を総合的に計画する審議会であることが説明された.具体的には障害者計画をはじめ,地域福祉計画,高齢者計画,児童育成計画,ヘルスプラン21(生活習慣病予防に重点を置いた計画)がある.現在はアンケート調査を実施し現状把握しているところで,今後基本理念を言語化していく予定との報告であった.

<さいたま市障害者計画学習会の報告>
 増田さんから,この学習会は,障害者計画策定委員の一人でもある傳田さん(OMIYAばりあふりー研究会)の呼びかけで始まり,障害種別 を超えて,意見交換をしながら,さいたま市の障害者計画について学習しているという説明があった.障害種別 を越え,地域を考えていく中で,そのネットワークの大切さを感じるということだった.

<さいたま市障害者計画検討協議会の報告>
 検討協議会の傍聴に参加した1人の三石さんから説明があった.知的障害,身体障害,精神障害,難病の4障害のくらしの実態を明らかにするためのアンケート結果 が報告された.さいたま市の障害者計画を平成15年に制定することを目指し,現在急ピッチに検討が進められているということであった.

 以上の報告を聞くと,どの報告でもアンケートについての議論がされている.
 アンケートは,サービスを必要としている人たちのニーズを汲み取るためのものとされていた.しかし,その内容は知的障害,身体障害,精神障害,難病の4障害ほぼ同様のものであり,アンケート作成側の意図が見え隠れする内容なのではないかという声が聞かれているようだった.施策策定の基礎データとして行われたアンケートではあったが,実際には基礎データとして活用できるほど,障害者のくらしの実態が明らかになっていないことは多くの人が語っているとの報告であった.
 サービスを必要としている人たちのニーズを汲み取るはずのアンケートが,その実態は捉えられておらず,その後,ニーズ把握のために出てきたヒアリング調査を行うという話に関しても,進展したようには見受けられない.実際に学習会や検討協議会の傍聴に参加した人たちは,「障害種別 を越え,一丸となって一緒に活動していくことが大切であると感じた」「当事者の発言には説得力がある.今の状況の中で当事者の声が反映されていくのか?」「いい計画をつくりたいと思って努力しても,簡単なことではない.長い目で取り組んでいく必要があるのだと思う」といった感想や意見を述べた.

 報告を聞きながら,今検討されているさいたま市の施策は,何のために,誰のためにつくられようとしているのか,何を大切にしていこうとしているのかということが見えてこないように感じた.今回報告のあったいくつかの学習会や話し合いの機会を通 して,その思いは,やどかりの里だけではなく,いろいろな団体の,多くの人達の思いであることを改めて感じられたような気がする.先は決して明るいとは言えなかったとしても,多くの人と同じ目標に向かって前向きに取り組むことで,明るい光が差し込むと信じたい.
(宗野 文)



<理事会報告>

 第6回定期理事会が3月28日(木)に開催された.出席者及び議事の内容は以下の通 りである.

出席者:谷中,土橋,増田,柳,小山,香野,峯野,三石,浅見
委任状提出:粕谷  
欠席:志村,孤嶋

次年度理事及び役員の選出について
 1年間の暫定理事体制の終了に伴い,14年度の新理事体制について協議された.また役員の定数並びに退任,就任についても話し合われた.
定款の見直し
 30年前設立時作成された定款を時代に即したものに改訂する.理事会で改訂版が検討され討議の結果 ,新定款が確認された.5月の総会で会員の承認を図る.
その他
・決算処理は補助金事業にあっては県の指導のもと処理される.
・14年4月より住宅手当を附与することが承認された.
・さいたま市保健福祉総合計画審議会及び障害者計画検討協議会報告
 両会の委員をしている谷中理事長及び,傍聴した増田より経過並びに審議内容の説明があった.
・組織図の確認

次回理事会は5月7日(火)午前10:30
(浅見 典子)

総会のお知らせ

 平成14年5月25日(土)午前10時より
 午後から研究所主催の学習会を予定しています.3月号で孤嶋圭子副理事長のお話を聞く会とお知らせしていましたが,谷中理事長を囲んでの学習会に変更させていただきます.終了後茶話会も予定されています.
 是非ご参加ください.


<4月の動き>

4/2 「さるす」編集会議に長谷川出席
4/3 「フローラの森」バザー実行委員会に川口,福田出席
4/4 新規採用職員の歓迎会開催
4/5 埼玉県精神保健福祉協会広報編集委員会に白石,宗野(政)出席
4/5 あげお福祉会に増田,黒崎取材,佐々木,桧山同席
4/8 埼玉県精神保健福祉士協会役員会に白石,堤出席
4/10 さいたま市障害者基本計画学習会に増田,三石,白石,黒崎,
      辰村,大村,香野(英)出席
4/11 顧問税理士及び監査人と決算打ち合せ
4/12 福祉の店「人力車」にあゆみ舎出店
4/12 第5回日本健康福祉政策学会報告集編集会議
4/12 松本市の精神保健福祉を考える会にて香野(英)講演
4/13 「ありのままでいいじゃん会」にて香野(英)講演
4/13 「フローラの森」バザーにあゆみ舎,まごころ出店
4/13 やどかり研究所運営委員会開催
4/16 富坂キリスト教教会取材の為の座談会に菅原(和),菅原(進),
      吉江,永瀬,香野(英)出席
4/17 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会
     生活支援センター部会世話人会に、白石、三石出席
4/18 「輪っふる」運営委員会に宗野(政),香野(英),金子出席
4/19 「フローラの森」バザー実行委員会に川口,福田出席
4/20 丸地先生をお招きして人づくりセミナー実行委員会開催
4/22 セルフヘルプグループ研究会にて香野(英)講演
4/22 「ひまわり」総会に金子参加
4/22 埼玉県精神保健福祉士協会総会に白石、渡辺、渋谷、福島、玉手、
      堤、鈴木(恵)参加
4/23 ヘルスケアネットワーク世話人会に増田出席
4/23 「輪っふる」世話人会に宗野(政)出席
4/23〜24 さいたま市保健施設準備室職員6名研修
4/24 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会役員会に、
      香野(恵)、渡辺出席
4/24 福祉の店「人力車」定例会に川口・高村・竹村(重)出席
4/24 さいたま市精神障害者ホームヘルプサービス検討会に
      三石,高村,福島出席
4/24 埼玉県精神保健福祉協会広報編集委員会に白石,宗野(政)出席
4/24 埼玉県社会就労センター協議会総会 香野(恵)
4/25 さいたま市与野障害者団体協議会理事会に佐々木,檜山出席
4/25 東松山キャラバン準備会にメンバー3名、職員3名参加
4/27 福祉の店「人力車」にあゆみ舎出店
4/27 国立保健医療科学院にて公衆衛生学会自由集会の打合せに増田出席
4/27 二葉看護学院6名見学研修
4/27 ひがメンタルクリニックより家族見学研修
4/27 あげお福祉会街頭募金活動,増田,黒崎取材及び参加
4/27 平成14年度精神保健福祉士資格実習説明会
4/28 あげお福祉会通所授産施設,生活支援センター開所式に増田,三石出席


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