<1面
記事>
2002年度活動方針
自己完結型の活動づくりからの脱却,
そして,パートナーシップへ
1999年,2000年と2年にわたって行った状態調査の結果
にもとづき数回の話し合いを行い,そこ から導き出された「やどかりの里の5つの課題」がある.(本紙2001年5月号を参照)昨年度はその
5つの課題について,数回の話し合いの機会を設け,メンバー,職員が集まり検討してきた.まず着
手したこと,問題意識はあってもすぐに取り組むことが難しいことそれぞれであるが,今年度の活動
方針は,その話し合いの内容を基盤にして考えられている.
今年度の活動方針には,大きく2つの柱があるといえよう.1つは,やどかりの里が自己完結型の
活動づくりからの脱却を図り,ネットワークづくりの中で,これからの活動づくりを考えていくとい
うことである.もう1つは,メンバーと職員の協働を標榜しながら活動を展開してきているが,さら
にその内実を作っていくことである.
これまでやどかりの里は,日々の実践の中で,必要に応じて資源を開拓し,活動を広げてきた.何も資源のない中では,法人独自の努力は不可欠であった.しかし,やどかりの里は1つの民間団体に
過ぎず,精神障害者の支援態勢にしても,街づくりを視野に入れた地域づくりでも,できることには
限りがある.また,やどかりの里のような民間団体が担っていくことがある一方で,自治体の責任で
展開すべきことがあるのも事実だ.埼玉県やさいたま市という自治体とどのような連携をとっていか
れるのか,どのようなパートナーシップを結ぶことができるのかが問われている.また県内,市内の
さまざまな団体とのネットワークづくりも重要である.横のつながりを重層に丁寧に創っていくこと
が大きな課題である.
一方で,メンバーと職員が協働し,活動づくりを進めていくことは,まだ緒についたばかりである.
昨年度は,メンバーと職員によるチームを作り継続した学習が積極的に進められた.1年間で結実す
ることではないので,今年度もそうした地道な取り組みを続けていくことになるであろう.私たちは,
変化が激しい社会状況の中で活動しており,視野を広げて,総合的に情勢を見極め,活動の方針を決
定していかなくてはならない.そして,その決定のプロセスが関わる人たちに開かれたものでなけれ
ばならない.そのための努力を続けていくことになる.
やどかりの里の活動の原点には,「その人のありのままを認める」という1人1人を大切にしていこ
うという考え方がある.それは,病気や障害のある無しにかかわらず,1人1人が主役の人生を実現
していくことでもある.さいたま市は,障害者計画を新たに作成する.この計画に,1人1人のいの
ちと暮らしを大切にする視点を盛り込むために私たちが貢献できることを模索していきたい.
<第3木曜会報告>
平成14年度事業計画について
3月14日(木)の第三木曜会は,平成14年度事業計画について話し合われた.内容は,
1)今年度から大きく変わるところ,2)全体的な動き,3)各部署の動き,の3点である.
1)については,以下の変更が上げられた.
・浦和東部生活支援センターが今年度一杯で幕を閉じる.今後,地区としては浦和生活支援センター
が責任を持っていくことになるが,上木崎憩いの家を中心としたメンバーの自主活動や,そのつなが
りは継続させていく.
・研修センターが今まで担ってきた業務を,やどかりの里全体で取り組んでいくことになる.総務の
中に位置付け,県内の見学研修については,やどかり情報館,その他県外については援護寮担当者が
窓口を担うことになる.また,研修のあり方についても,枠組み全体を職員とメンバーで取り組んで
いけるように引き続き検討が必要である.従来研修センターが使用してきた建物については,資源の
有効活用ということで相談所とやどかり塾,また,各種会議を行う場所としていく.
・コンサートや,バザーといった資金づくりの活動は終了する.今後は,地域交流委員会としての活
動に転換させ,今までの活動も見直しながら,新たな地域とのつながりを模索していく.
次に,2)について報告された.まず,生活支援活動全体としては,「今年度,さいたま市での生活支
援センターの役割は何かという意識で活動を行ってきた.やどかりの里だけで完結するのではなく,公
益性と独自性を持ちながら,関係団体とのネットワークを組んで活動を展開させていくという課題が
見えてきた.活動地区を拡大するのではなく,現在生活支援センターがある3つの地域を中心に,内
実を整えていくという観点からも,浦和東部生活支援センターも終了することになった.来年度に向
けては,1.援護寮の機能の見直し,2.在宅支援,3.緊急対応,4.就労支援,5.思春期の問題,以上
の5つの課題について,目標を立て,順を追って取り組んでいく.まずは具体的なメンバーとの対応
から,関係機関と取り組んでいくことを切り口にしていきたい」と伝えられた.また,さいたま市な
ど,行政に対する取り組みとして,「要望書の提出後,どう市の施策に共に取り組んでいけるかを検討
していく.平成14年からは,精神保健福祉業務が市町村に移管されるため,より具体的な事柄を通
し てのやり取りになってくる.大きなところでは,引き続き要望書などを通しての運動を行っていく」
ことが確認された.また,この1年をかけて,さいたま市では障害者計画を作成する.それに関連し
て,市内の障害者団体で,計画に障害者の声を反映させるべく,勉強会を開催している.そのような
外部との関わりの機会が増えてきている.その情報は,何らかの形で共有していくことで,より豊か
な活動展開につながるのではといった提案も出された.
その他に,セルフヘルプネットワークの一つである,「来日メンバーの受け入れを考える集い」と合
わせて,現在取り組んでいる国内のメンバーとの交流も組織図に載せ,その二つを合わせて,メンバ
ーの主体的活動を行うことを目的とし,「Ours the next step」と名称をつけることが確認された.
3)については,各事業計画を参照していただきたい.
第三木曜会については,来年度も引き続き,討論と情報の共有の場としての機能と,外部との学習
や,様々な社会の動きを出し合う場にしていく.
(渡辺 奏子)
|