-TOPICS-

機関紙「やどかり」12月号
(2001.12.15発行)

<1面記事>

精神保健福祉士資格を考える
〜実習教育から見えてきたこと〜

 精神保健福祉士の国家資格ができて4年.やどかりの里でも,平成11年度から学生の実習を積極的に受け入れ,将来精神保健福祉活動を担っていくだろう学生への実習教育に取り組んできた.今年度も,既に10名の学生がやどかりの里での実習を終えている.
 やどかりの里が実習の中で大切にしてきたことは,技術や知識が先行するのではなく,「人として」相手と出会い,「対話」を通 して様々な「気づき」を得て,人や組織に対する理解を深めていくことである.しかし,この大切にしていることを学生に伝えていく難しさを実感した3年間でもあった.
 今の学生の多くは,「国家資格がほしい」という思いが実習目的の中心にあることが多い.しかしその反面 ,「何のために資格を取るのか」「自分がどう生きようとしているのか」という考えを明確にもっている学生は少ない.不安定な現代社会ゆえ,資格をもつことで将来の暮らしに安心感をもてるような錯覚をおこすのだろうか.しかし,資格があるから現場で役立つ職員になるのではない.人と相対していく上で,資格があるかないかはさほど重要ではないのだ.「何を考えている人なのか」「どう生きようとしている人なのか」が,互いに分かり合えることが重要なのである.学生が様々な機会を通 して,自分に正直に,人として相対することから学ぶことの重要性をいかに実感できるかが,その後の専門職としての成長においても重要な鍵になる.
 しかし,多くの学生と接して感じる危惧は,資格をもつことによって自分を隠し,鎧をかぶり,相手と向き合うことから学ぶ大切さを実感することから遠ざかっていくのではないか,ということである.これは学生個人に責任があるのではなく,学生たち自身がひとりの人間として尊重された体験が少ないのかもしれない.閉塞感漂う日本の教育構造の中で育った彼らにとって,自分をさらけ出し,人と相対することへの恐れは簡単にはぬ ぐえないのかもしれない.
 私たちも,学生と相対する中で彼らの価値観を尊重しつつ将来の専門職として大切にすべき価値を伝えていかなければならない.学生と出会って感じた危機感は,私たちを取り巻く日本の教育構造,社会のあり様への危機感に繋がることでもある.どのような専門職がこれからの活動に必要なのか,大学と共有していくことも重要だろう.
 ある職員が,専門性について「価値のないところに技術を使えばそれは相手を傷つける武器になる」と表現したことがある.価値とは人間の尊厳だろう.その「価値」を伝えていくためにどのような実習を担っていけばいいのか,まだまだ模索中である.
 専門職は,自分たちのもつ専門性がいつでも相手を傷つける武器にもなり得ること,そしてそれは,人間の尊厳,即ち人権侵害の武器にもなり得るものなのだ,ということを,専門職として,ひとりの人間として,自覚していかなければならない.ひとりひとりの人間の尊厳を大切にする専門職である時,はじめて資格をもつ意味が出てくるのではないだろうか.


<第3木曜会報告>

バザーのあり方を考える

 11月15日の第三木曜会前は,まずやどかりの里大バザーの今後のあり方を検討した.
 本年のバザーは10月7日に中川自治会館で開催され,盛況を収めた.企画の段階から「バザーのあり方について考える会」が数回開かれ,やどかりの里の現状を加味したバザーとは何かについて検討を重ねてきた.バザー終了後には各部署で振り返りを行い,それを持ち寄って各担当の責任者を中心としたバザー後の振り返りも行われた.
 これまでバザーが果たしてきた役割として『地域交流の場』『仲間同士のつながり作り』『活動資金の調達』がある.しかし現状では規模が大きくなり準備等の『負担の大きさ』が出てきたのも事実だ.大切にしたいイベントではあるが,今後のあり方については検討の必要があるのではないかということが,振り返りで確認され,今回の第三木曜会で投げかけられた.
 バザーへの思いについて参加者に意見を求めると,伝統的なイベントとして忙しい思いをしても継続したいという意見や,現実的に事業と並行しての準備や参加が厳しいこと,だからこそ色々な参加の仕方があってもいいといった意見が出された.また買い物客のピーク時には駐車場が足りないことやお金のありがたさを実感する,といった意見も出された.  「バザーは継続したいが負担が大きい」ことが再度明らかになったところで,今後については負担を軽減するという観点から,予定決めを早期に行うこと,準備や片付けをもう少し日数をかけたいこと等具体的な発言が相次いだ.
 またバザー全体のあり方としても,さいたま市内のポピュラーなバザーにしたいこと,やどかりの里主催の中川大バザーとし中川地区の方々と協力したいとの意見も出され,バザーの大切な役割はそのままに,自由な発想で新たな姿を模索できることを感じた.やどかりの里の他の全体行事とバザーを合体させて活動を紹介するという意見もそのひとつであった.
 最後にまとめとして「年に1回開催したい行事であること」「地域との交流を図ること」「会員(仲間)同士の交流を図ること」「規模については見直すこと」が確認された.また継続して各部署やチーフ会議でバザーのあり方について検討し,事業計画が明らかになる来年2月までにバザーの方向性を導き出すこととなった.
(堤 若菜)



<理事会報告>

  次回理事会予定
12月15日(土) 午前10:30〜12:00
(浅見 典子)


<11月の動き>

10/2 ヘルスケア関連団体ワークショップ世話人会に増田出席
11/1 日本福祉教育専門学校より5名1日研修
     心の健康フェスティバル振り返りに白石,檜山,渡辺出席
11/1〜2 松本にてやどかりキャラバン開催,
     大澤(道),増田,佐々木,須藤,宗野参加
11/2 ホームケア協議会にて香野(英)講演,秋吉出張販売
11/3 東京都中野区愛成学園あいせい祭にルポーズ,あゆみ舎,なす花出店
11/5〜6 授産施設会計基準講習会浅見参加
11/6 埼玉職業能力開発促進センターにて志村,仁木講義
     新津市憩いの家「きゃんばす」ボランティアに柳スーパービジョン
11/6〜7 道北福祉会地域生活支援センターから2名体験研修及び交流会
     堀,辰村,鈴木,黒崎,西村,長谷川,増田,香野(英)参加
11/7 厚生労働省障害者雇用研修,やどかり情報館にて開催
     大宮赤十字看護専門学校より15名1日実習
     宮崎県東臼杵福祉事務所より2名1日研修
     埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会生活支援部会の
     県内メンバー親睦会
     生活支援センター夢の実にて打ち合わせ
11/8 獨協大学より3名機関紙の取材
     植竹中学校1年生22名総合学習で,三石,白石,高村,香野(英)応対,浦崎参加
     フードショウ山本,杉山参加
11/8〜9 新潟県精神障害者社会復帰施設協議会に柳講師として参加
11/8〜10 日本精神保健福祉士協会初任者研修会(青森)に渋谷,福島参加
11/9 理事会のあり方を考える会第3回会合「人力車」にあゆみ舎,ルポーズ出店
11/10 やどかり研究所運営委員会/第5回日本健康福祉政策学会実行委員会
11/11 和光市健康まつりになす花,あゆみ舎出店
11/13 三郷市健康福祉部障害児童課より4名1日研修
11/14 中学生の時の葛藤と苦しみを語り合う集い開催/やどかり出版就職説明会
     栄養士会研修会に山本,杉山参加
11/15 埼玉職業能力開発促進センターにて永瀬,仁木講義
11/16 久喜市議会より4名1日研修
     新津市精神保健福祉ボランティア講座に柳講師として参加
     社会復帰施設運営協議会宿泊部会支部会に檜山参加
11/17〜18 埼玉県精神保健福祉士協会研修合宿に白石,渋谷参加
11/18 ボランティア大会にドリームカンパニー,なす花,あゆみ舎,ルポーズ出店
11/19 「人力車」定例会に高村出席
11/19〜20 栄養士会研修会に山本,杉山参加
11/20 群馬県の保健婦活動についての編集会議に西村,増田出席
      かっぽになす花出店
      新津市いしずえ作業所職員に柳スーパービジョン
      埼玉県精神障害者小規模作業所連絡会研修部門打ち合わせ山口出席
11/21 やどかり出版採用試験/ふたば看護学院(千葉)より5名1日研修
      ユナム・ジャパン傷害保険株式会社(東京)より2名1日実習
      さいたま市与野障害者団体協議会理事会に佐々木,檜山出席
11/21〜23 全精社協全国職員研修会長崎大会に谷中出席
11/22 講師登録者学習会
11/27 日本福祉大学にて香野(英)講演
      新潟信愛病院デイケア職員に柳スーパービジョン
11/27,28 ひだまりの里(福岡市)より2名1泊2日研修
11/28 さいたま市北部保健室保健婦4人やどかり情報館見学
      新潟県下越管内スクールカウンセラー派遣連絡会議に柳参加
      第2回埼玉県社会復帰対策検討部会に谷中出席
11/29 埼玉県立大学短期大学部(看護学)より20名1日実習
      さいたま市与野障害者団体協議会支援費支給制度についての学習会に佐々木出席
      日本病院地域精神医学会シンポジウムウ谷中座長
11/30 大宮倫理法人会にて増田講演
     第5回日本健康福祉政策学会実行委員会
     埼玉県立大学短期大学部より20名1日実習
     日本健康福祉政策学会理事会に谷中出席


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