-TOPICS-

機関紙「やどかり」12月号
(2006.12.15発行)


<1面 記事>

障害者運動の歴史的な1ページ
 〜権利は勝ち取るもの〜

 
  去る10月31日,日比谷公園において『出直してよ!障害者自立支援法 10.31大フォーラム(以下,フォーラム)』が開かれ,全国各地から約15,000人の人々が集まった.やどかりの里からも,約90名のメンバー,家族,職員が参加した.1年前の10月31日は,障害者自立支援法(以下,法)が成立した日である.その後,法の根本問題である定率負担制度を巡って,各地で負担軽減措置や改善を求める運動が続けられている.さいたま市も例外ではない.

 法が4月から段階的に施行され,既に,施設からの退所者問題,利用料の滞納など,当事者や家族の暮らしへの影響が深刻に出始めている.障害を持ちながらも,一人の人間として地域であたりまえに生きる権利を,この国はどう保障しようとしているのか.全国各地で起こっている様々な運動,そして今回のフォーラム15,000人の参加者の思い.それは,この国において1人1人の生きる権利を保障することを強く求める運動であり,思いであろう.

 そうした状況の中開催されたフォーラムは,当日4会場で開催され,法の見直しを求め,多くの人々が自分たちの置かれている状況を訴えた.埼玉県,さいたま市からも多くの関係者が参加し,法への危機感の強さが伺われた.各会場でのフォーラム終了後,東京駅までのデモが行われ,行き交う人々に法の問題を訴えた.

 フォーラムの取り組みとともに,この間の国の動きをおさえておくと,10月7日に,民主党が法の定率負担制度の凍結を盛り込んだ「障害者自立支援法改正案」と「6つの緊急提言」を発表.その後,現在会期中の臨時国会にて提出.今後の審議を注視することが重要となる.

 一方,世界に目を転じると,6月に国連の障害者権利条約アドボック委員会にて条約案がまとまり,年内の国連総会にて採択される見通しである.国際法は,国内の法律より優先され,日本政府はこれに批准する姿勢を示している.批准されれば,国際法と国内法の整合性をとっていく必要があるため,国内法の見直しがされることになる.こうした障害者権利条約の採択など,世界の動きも日本の障害者福祉向上を実現していく上では注目しておくべき動きである.

 一方,さいたま市では,この間,定率負担の軽減措置を求める請願運動を行ってきた.市議会議員へ,障害のある人,家族,関係者が直接自らの声を届け,駅頭署名では広く一般市民へ法の問題を訴え,障害のある人の置かれている状況の理解を求めてきた.12月市議会において,さいたま市は何らかの負担軽減措置を講じると言われている.

 「権利は行使して初めて権利となる」と表現した人がいる.いつの時代も,主権者として,連帯の運動のうねりの中で自らの権利を得ていく.権利は誰かに与えられるものではなく,自ら行動して勝ち取っていくものなのだ.1人1人が主権者となって運動を続け連帯していくこと.そのことが,自らの意志を確実に制度・施策へと反映させていくものとなっていく.

 10月31日は,私たちの人権保障の運動を結実させていくための新たな歴史を刻んだ1日だったと言えよう.


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