-TOPICS-

機関紙「やどかり」11月号
(2004.11.15発行)


<1面 記事>

国の障害者施策の大きな変革
厚生労働省「改革のグランドデザイン案」を提示


 やどかりの里が活動を開始し,35年を迎えた.活動を継続する中で,国の定めた法律がやどかりの里の活動や障害をもった仲間たちの暮らしや人生に大きな影響を及ぼすことを実感してきた.
 今まさに国の障害者施策が大転換をしようとしている.今号では,この大きな変革の概要を見ていくこととしたい.これらの動きは,1981年の第二臨時行政調査会に端緒がある.
 そして,その後社会保障についての見直しが議論され,社会福祉構造改革につながっていく.(緊急特集 改めて障害者の人権を噛みしめてかかれ,『響き合う街で』29号参照)

 ここでは,今年度の大きな動きを報告し,10月12日に厚生労働省から発表された「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」触れていきたい.
 6月4日,経済財政諮問会議による平成17年度の国家予算編成の基本方針となる「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(骨太方針2004)」が閣議決定.
 6月11日,自民党障害者福祉施策勉強会が「障害者の自立と共生の地域社会を目指して(提言)−障害者の就労元年宣言」を提議.
 7月9日,厚生労働省内に設置された障害者の就労支援に関する省内検討会議は「障害者の就労支援に関する今後の施策の方向性」について報告.
 7月13日,社会保障審議会障害者部会が「今後の障害者保健福祉施策について(中間的なとりまとめ)」が提案され,障害者部会のまとめとして介護保険部会に提案.
 8月24日,地方6団体から国庫補助負担金等に関する改革案が提案.
 こうして今年度前半には,さまざまな政策文書が矢継ぎ早に提出されていった.
 精神障害者については,3つの検討会での結論を踏まえ,9月に精神保健福祉対策本部から「精神保健医療福祉の改革ビジョン」が示された.

 そして,10月12日,第18回社会保障審議会障害者部会において「今後の障害者保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」が示された.このグランドデザイン(案)では,障害保健福祉の改革の基本的な視点として,「障害保健福祉の総合化」「自立支援型システムへの転換」「制度の持続可能性」を挙げ,障害者に共通の「障害福祉サービス法(仮称)」が提案された.そして,市町村を中心とするサービス提供体制の確立,効果的,効率的なサービス利用の促進のため市町村を基礎とした重層的な障害者相談支援体制の確立とケアマネジメント制度の導入,そして,公平な費用負担と配分の確保のため,福祉サービスに係る応益的な負担の導入,入所施設の負担の見直し,公費負担医療の対象の見直し,国・都道府県の補助制度の見直しが挙げられている.

 さまざまな見直しと法改正に向けての準備が急ピッチに進んでいる.次期通常国会に関連法案提出が予定されており,十分な国民的な議論のないまま,障害者施策が大きく変えられようとしている.財源問題が背景にあるだけに,障害福祉サービス法(仮称)に精神障害者福祉が盛り込まれたことを諸手を挙げて喜ぶ状況ではない.

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