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記事>
精神障害を持つ人たちのいのちと暮らしを守る運動
〜精神障害者社会復帰施設施設整備費大量不採択問題に向けて〜
2003年5月,全国の精神保健福祉の関係者の中に,大きな衝撃が走った.厚生労働省からの「精神障害者社会復帰施設施設整備費大量
不採択(161件中35件のみ採択)」の発表だった.精神障害者の社会復帰施設を開設しようという団体が,自治体への申請を行い,各自治体が施設整備について協議し,自治体としても施設整備を合意しているにもかかわらず,国は約2割しか採択しなかったのである.社会復帰施設が精神保健法に盛り込まれて10年余り,申請されたものは特別
な事情がない限り,全数が採択されていたのである.
2002年12月,厚生労働省は新障害者計画の中で,72,000人という数の社会的入院を認め,退院促進の方針を盛り込んだ.一方で全国的な状況は,社会復帰施設(小規模作業所を含め7種類)が1か所も設置されていない市区町村が2,867(88.7%)ある.
それなのに,なぜ不採択なのか.こうした怒りの声が全国的に拡がっていった.この声を集約した形で,7月には5団体(全国精神障害者社会復帰施設協議会,きょうされん,日本精神保健福祉士協会,全国精神障害者家族会連合会,全国精神障害者地域生活支援協議会)によって緊急集会が開催され,厚生労働省前でのアピールを行った.
そして,先の5団体に全国社会就労センター,全国精神障害者団体連合会,日本精神科看護技術協会の3団体が加わり,8団体で「精神障害者社会復帰施設の拡充を求める中央実行委員会」を発足させた.厚生労働大臣に「平成15年に不採択になった設備整備費を復活採択すること,平成16年度予算策定において,社会復帰施設の拡充施策をはかること」を要望する「10万人署名活動」を10月9日から約4か月を期間として始めた.さらに12月16日には,九段会館(東京)で1,000人規模の集会を予定している.
やどかりの里の第三木曜会(全体集会)で署名運動,12月16日の集会について報告され,やどかりの里としても自分たちの問題として受け止め,運動していくことを確認した.
これまでの精神保健福祉活動の中で,8団体が一致して運動を展開したことはなかったのではないだろうか.その意味では,関係するそれぞれの団体が共通
に運動できるところから手を繋いでいく事の大切さを実感している.
各地で,1つ1つ積み上げて,施設開設を準備してきたところが,さまざまな活動を頓挫せざるを得ない状況にある.この問題は,精神保健福祉の分野だけのことではない,構造改革の名のもとで行われているさまざまな切捨ての1つとして捉えるならば,多くの人たちと手を結び,運動していく必要がある.そのためには,関係者は今こそ声を挙げ,この状況を多くの人たちが結集することで,跳ね返していかなくてはならない.これは,精神障害を持った人たちのいのちと暮らしを守ることであり,私たちの人間としての権利を勝ち取ることなのだ.その一歩として,やどかりの里の中でも,まずは署名運動を展開していきたい.
<理事会報告>
◎平成15年度第2回定例理事会
開催日:平成15年8月7日(木)
出席者:土橋敏孝,増田一世,三石麻友美,浅見典子,香野英勇,吉江まさみ,辰村泰治
委任状提出:孤嶋圭子,柳義子
第1号議案:やどかりの里活動準備基金(仮称)検討
現在,活動資金を必要としている活動は多岐に渡り,資金獲得はやどかりの里全体で取り組むべきものと考える.そこでバザー,コンサート等で獲得した収益は活動準備基金(仮称)として蓄え,資金を必要とする活動に分配する方式が提案された.基金の名称,基金の規約,配分委員会の設置について議論され,やどかりの里活動準備基金として活動資金の受け皿つくりは承認された.基金の規約は次回理事会にて検討になった.
第2号議事案:当事者代表理事の件
島田喜代子理事の急逝に伴い,家族代表理事を来年5月改選時までに選出していただくことを,浜砂会に依頼することが確認された.
第3号議案:その他報告等
・来年度の求人の件
・援護寮当直アルバイトの件
・NHK教育テレビ取材について
・里祭の開催について確認
・やどかりコンサートの進捗状況報告
・7.22精神障害者社会復帰施設整備補助金問題を考える緊急集会報告
・厚生労働省「精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会」の委員として香野英勇さんが出席
◎平成15年度第3回定例理事会
開催日:平成15年10月3日(金)
出席者:土橋敏孝,増田一世,三石麻友美,浅見典子,吉江まさみ,辰村泰治,山崎光夫
委任状提出:粕谷慶治,香野英勇.柳義子
第1号議案:やどかりの里活動準備基金規約(案)検討
前回の理事会を受け提出された規約(案)検討の結果,全員一致で規約及び配分金の申請要領は承認された.配分委員会は理事会の中におき,申請は随時,決定は年2回とする
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第2号議案:半期の振り返り
・退院促進プロジェクト
・すずらん荘(定員2名の共同住居)の開始
・小規模作業所「まごころ」の開設10周年を祝う会の開催
第3号議案:その他報告等
・バザー開催をめぐって中川自治会との折衝について報告
・さいたま市障害者施策推進協議会委員として香野英勇及び増田一世が出席.
・さいたま市精神保健福祉審議会の状況
◎次回理事会
平成15年12月5日(金)17:00から やどかりの里本館にて
<活動準備基金配分申請要領抜粋>
1.配分の対象となる活動
@補助金対象とならない精神保健福祉を促進するための活動A研修研究交流活動B精神保健福祉分野のイベント
2.申請条件
@当法人の会員が企画実施する活動である A活動を機関紙,総会等で報告する
3.審査基準
@新規性(新たな活動を立ち上げる)A補助の必要性B企画のユニークさ着眼点の独自性
*規約及び申請要領の詳細は総務まで
(浅見 典子)
<第3木曜会報告>
<バザーの振り返り>
今年のバザーは,入職して1年〜3年目の職員6名が事務局を担い,何度も話し合いの場を持ち,企画,調整を行ってきた.まず事務局からは,バザーを通
して相談することの大切さや,やどかりの里と地域の関わりを学んだという報告がされた.そしてそれぞれからは,
「初めての経験で混乱しながら,手探り状態でやってきた.何もわからないところで,最初は事務局だけで乗り切ろうと思っていたが,限界がわかりいろんな人たちの力を借りることになった」
「最初は何を相談したらいいのかもわからず,でも進めなくてはいけないというプレッシャーで辛いと思ったこともあった.だけど,今はやってよかったなと思う.相談することを学んだ」
「準備から当日まで,やどかりの里の職員,メンバー,家族,そして,地域の方やボランティアの方々など,たくさんの人の力を借りてやってこれた.地域のつながりについては,顔の見える関係が大切だということに気づいた」
といった感想が述べられた.これらの体験を踏まえ,来年度のバザーも,職員の力量
形成の場として位置づけられたらという提案が事務局からなされた.
模擬店を出店したところからは,
「良く売れて,早くに完売し来年もやりたい」
という感想や,
「『毎年楽しみにしているよ』と地域の人に言われて嬉しかった」
という感想もあった.当日の売上げは,目標額には届かなかったが,諸経費をひいても100万円近くの利益が見込めそうだということだった.
<日米メンバー交歓会について>
10月30日〜11月8日の10日間,アメリカのプロジェクト・リターン・ザ・ネクスト・ステップのメンバー4名がやどかりの里にやってくる.期間中は,お互いの体験を発表するセミナーや,やどかりの里の会員親睦旅行,中川自治会の運動会への参加,さいたま市の観光施設を訪れたりと,さまざまな企画が盛りだくさんに準備されている.それぞれの担当者から企画内容の案内やお知らせが行われ,歓迎ムードを盛り上げた.
<さいたま市障害者施策推進協議会の報告>
さいたま市障害者施策推進協議会に,やどかりの里からは増田常務理事と当事者の立場から香野英勇氏が参加している.また,さいたま市精神保健福祉審議会には増田が参加している.それぞれの会の様子と,精神保健福祉の改革に向けた今後の対策の方向について報告が行われた.
今回のバザーでは,事務局を担ってきた人たちが,力を惜しみなく出し尽くし活躍しているのを見て,私も刺激をもらった.そして,バザーが終わったと思ったら,ほっと息継ぐ間もなく,今度は日米メンバー交歓会である.やどかりの里の秋は行事が目白押しで忙しい.しかし,やどかりの里全体で取り組む行事は,皆の協力なしにはなり得ないものであり,一致団結できるきっかけにもなるだろうと思う
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(福田むつみ)
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