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記事>
人間の尊厳をテーマに
コンサート「夏の響き」inさいたまを開催〜
「人間の尊厳」をテーマにした歌と話で紡ぐコンサート「夏の響き」inさいたまが,8月30日(土),埼玉
会館小ホールにおいて開催された.
やどかりの里が主催したこのコンサートに,500席の会場がほぼ満席になるほどの来場者があり,多くの方々の平和や命の尊さに寄せる思いを感じさせるコンサートとなった.
コンサートは3部構成.第1部「生命を讃えて」では,橋爪文さんに被爆体験を語っていただいた.橋爪さんは1931年に広島県で生まれ,14歳の時被爆した.現在,詩人として詩作に努める傍ら,自らの体験をニュージーランドを始め世界各国に伝えている.
自身の被爆体験が,「今のこと,未来のことに通じていると思い,お話しているんです」という橋爪さんのお話は,原爆が投下された時のおどろおどろしい状況や悲惨さよりも、その中で生まれた人間愛や,生きることの大切さを私たちに訴えていた.そして,橋爪さんの体験を聴くことは,過去を振り返ることではなく,今の自分たちの暮らしを見つめ,未来を考えることであることに気づかされるものであった.
第2部の「響き合って生きる やどかりの里からのメッセージ」は,精神病を発症して人生のどん底を見てきたという人が,もう一度自分の人生を作り上げていく中で,人間が生きるときに本当に大切なものは何なのかを訴えたものだ.女優の高田敏江さんが朗読し,作曲家の中村雪武さんにギターで演奏をしていただいた.
第3部では,橋爪さんの詩集「海のシンフォニー」より,少女と被爆した1人の青年との出会いから,青年の行為の尊さと,生きることの喜び,命の重さとはかなさを描いた「夏の響き」を中村さんが組曲にして,ソプラノの鈴木房江さん、ピアノの米倉邦子さんに演奏していただいた.「生きることはすばらしい」「生きなければいけない」というメッセージが,誰もの心に響く感動的な歌声でコンサートを締めくくっていただいた.
コンサートに寄せられた来場者の協力金は,病気がよくなっているのに,精神病院への長期入院を余儀なくされている方々が,地域の中で暮らすためのサポートの資金,立ち遅れている地域精神保健福祉活動を推進していくための資金とさせていただく.
今回のコンサートは,これまでのコンサートとは違って,メッセージ性の強いものとなった.それゆえ,準備に時間をかけ,主催する側の動機付けとその意味を,実行委員会,法人全体で共有するところから始まっている.また,コンサートに関しては全くの素人である私たちが,舞台のプロ,音楽のプロと一緒に創り上げた成果
であった.そして,コンサートを企画・運営することが,やどかりの里のメッセージを伝える「表現方法」の1つとして,積極的に位
置づけられた.これらは,私たちにとって新たな活動展開を示唆する画期的なことではないだろうか.今,法人が企画するコンサートの位
置づけが,収益重視の事業から,運動の一つの方法として変わりつつある.
<第3木曜会報告>
9月18日(木)の第3木曜会では,以下の項目の報告ならびに検討を行い,最後にNHK教育テレビで放映された「きらっといきる」のビデオを鑑賞した.
@ バザー
実行委員会より準備状況が報告され,前日と当日の役割分担の検討を行い,分担の仕方でいくつかの意見が出された.今回出た意見を基に,実行委員会でバザーの運営を再整理し,準備を進めていく.
A 日米メンバー交歓会
10月30日~11月8日の日程で行われる日米メンバー交歓会だが,メンバーの辰村さんより開催期間のプログラム(日米国際セミナー,中川自治会運動会参加,箱根旅行,支援センターでの交流など)の内容と予算について報告があった.明日には来日するメンバーの顔ぶれも分かるという.また,さよならパーティーの費用をもっと参加しやすいものに設定してはどうか,日米国際セミナーの通
訳費用が参加費だけでは賄えず,足りない分を法人で検討したいなどの意見が出た.
B 夏の響きコンサート
実行委員会から,企画の趣旨を振り返り,伝える側としてのしつらえや,聞き手の反響からも様々な形でメッセージが伝わったのではないかと報告された.「またこういう企画もいい」「鎌倉でも開催しないかというお誘いがあった」等の意見が出された.
C ショートステイ
以前から話し合いの持たれていたショートステイについて,現在の状況が報告された.ショートステイは平成14年度から市町村を窓口に行われることになった居宅生活支援3事業の一つである.その中でも援護寮が委託を受ける施設一つとされているが,さいたま市はまだ検討段階であり,実際には行われていない.
市内ではやどかりの里の援護寮が唯一の施設なので,市内全域に対してもショートステイに限らず様々な形で役割を担っていかなくてはならない.また,「実際退院者を受け入れるのはいつごろか」との質問が出て,「すでに市内の病院から何人かグループで援護寮を利用しようとの動きもある」と報告された.
C 会員親睦旅行会
11月4日~6日の日程で準備を進めており,より多くの人が参加できるために,費用についても支払方法は相談にのるとのこと.実行委員の一人は,実際に箱根まで下見に行き,感じのいいところだったとの感想が述べられた.今回は旅館を貸しきっているのでぜひ大勢の人が参加してくれるようにと呼びかけがあった.
D 「きらっといきる」ビデオ鑑賞
木曜会の最後に,「きらっといきる」のビデオ鑑賞会を行った.これはNHK教育がやどかりの里を利用するメンバーの日常を取材し,30分番組にしたものである.出演した人たちが普段とまったく変わらない様子が面
白く,会場からは所々笑い声が出た.中でも,「やどかりに来て良かったことは人との出会い.人を信じて生きていきたい」というメンバーの声が印象的だった
.
これまで私は,番組に出ていたメンバーから直接このような思いを聞いたことがなかった.改めて精神的に豊かな心持ちでそれぞれが生活していることを知り,そこに至った経緯をもっと聞いてみたいという衝動にかられた.そして,私たちに,生きていく上で大切なことは,何かを教えてくれたように感じ,たくさんの元気いただいた.
(鈴木 恵)
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