-TOPICS-

機関紙「やどかり」10月号
(2003.10.15発行)


<1面 記事>

人間の尊厳をテーマに
コンサート「夏の響き」inさいたまを開催〜

 「人間の尊厳」をテーマにした歌と話で紡ぐコンサート「夏の響き」inさいたまが,8月30日(土),埼玉 会館小ホールにおいて開催された.
 やどかりの里が主催したこのコンサートに,500席の会場がほぼ満席になるほどの来場者があり,多くの方々の平和や命の尊さに寄せる思いを感じさせるコンサートとなった.

 コンサートは3部構成.第1部「生命を讃えて」では,橋爪文さんに被爆体験を語っていただいた.橋爪さんは1931年に広島県で生まれ,14歳の時被爆した.現在,詩人として詩作に努める傍ら,自らの体験をニュージーランドを始め世界各国に伝えている.
 自身の被爆体験が,「今のこと,未来のことに通じていると思い,お話しているんです」という橋爪さんのお話は,原爆が投下された時のおどろおどろしい状況や悲惨さよりも、その中で生まれた人間愛や,生きることの大切さを私たちに訴えていた.そして,橋爪さんの体験を聴くことは,過去を振り返ることではなく,今の自分たちの暮らしを見つめ,未来を考えることであることに気づかされるものであった.

 第2部の「響き合って生きる やどかりの里からのメッセージ」は,精神病を発症して人生のどん底を見てきたという人が,もう一度自分の人生を作り上げていく中で,人間が生きるときに本当に大切なものは何なのかを訴えたものだ.女優の高田敏江さんが朗読し,作曲家の中村雪武さんにギターで演奏をしていただいた.

 第3部では,橋爪さんの詩集「海のシンフォニー」より,少女と被爆した1人の青年との出会いから,青年の行為の尊さと,生きることの喜び,命の重さとはかなさを描いた「夏の響き」を中村さんが組曲にして,ソプラノの鈴木房江さん、ピアノの米倉邦子さんに演奏していただいた.「生きることはすばらしい」「生きなければいけない」というメッセージが,誰もの心に響く感動的な歌声でコンサートを締めくくっていただいた.

 コンサートに寄せられた来場者の協力金は,病気がよくなっているのに,精神病院への長期入院を余儀なくされている方々が,地域の中で暮らすためのサポートの資金,立ち遅れている地域精神保健福祉活動を推進していくための資金とさせていただく.

 今回のコンサートは,これまでのコンサートとは違って,メッセージ性の強いものとなった.それゆえ,準備に時間をかけ,主催する側の動機付けとその意味を,実行委員会,法人全体で共有するところから始まっている.また,コンサートに関しては全くの素人である私たちが,舞台のプロ,音楽のプロと一緒に創り上げた成果 であった.そして,コンサートを企画・運営することが,やどかりの里のメッセージを伝える「表現方法」の1つとして,積極的に位 置づけられた.これらは,私たちにとって新たな活動展開を示唆する画期的なことではないだろうか.今,法人が企画するコンサートの位 置づけが,収益重視の事業から,運動の一つの方法として変わりつつある.

 


 <第3木曜会報告>

 9月18日(木)の第3木曜会では,以下の項目の報告ならびに検討を行い,最後にNHK教育テレビで放映された「きらっといきる」のビデオを鑑賞した.
@ バザー
 実行委員会より準備状況が報告され,前日と当日の役割分担の検討を行い,分担の仕方でいくつかの意見が出された.今回出た意見を基に,実行委員会でバザーの運営を再整理し,準備を進めていく.

A 日米メンバー交歓会
 10月30日~11月8日の日程で行われる日米メンバー交歓会だが,メンバーの辰村さんより開催期間のプログラム(日米国際セミナー,中川自治会運動会参加,箱根旅行,支援センターでの交流など)の内容と予算について報告があった.明日には来日するメンバーの顔ぶれも分かるという.また,さよならパーティーの費用をもっと参加しやすいものに設定してはどうか,日米国際セミナーの通 訳費用が参加費だけでは賄えず,足りない分を法人で検討したいなどの意見が出た.

B 夏の響きコンサート
 実行委員会から,企画の趣旨を振り返り,伝える側としてのしつらえや,聞き手の反響からも様々な形でメッセージが伝わったのではないかと報告された.「またこういう企画もいい」「鎌倉でも開催しないかというお誘いがあった」等の意見が出された.

C ショートステイ
 以前から話し合いの持たれていたショートステイについて,現在の状況が報告された.ショートステイは平成14年度から市町村を窓口に行われることになった居宅生活支援3事業の一つである.その中でも援護寮が委託を受ける施設一つとされているが,さいたま市はまだ検討段階であり,実際には行われていない.
 市内ではやどかりの里の援護寮が唯一の施設なので,市内全域に対してもショートステイに限らず様々な形で役割を担っていかなくてはならない.また,「実際退院者を受け入れるのはいつごろか」との質問が出て,「すでに市内の病院から何人かグループで援護寮を利用しようとの動きもある」と報告された.

C 会員親睦旅行会
 11月4日~6日の日程で準備を進めており,より多くの人が参加できるために,費用についても支払方法は相談にのるとのこと.実行委員の一人は,実際に箱根まで下見に行き,感じのいいところだったとの感想が述べられた.今回は旅館を貸しきっているのでぜひ大勢の人が参加してくれるようにと呼びかけがあった.

D 「きらっといきる」ビデオ鑑賞
 木曜会の最後に,「きらっといきる」のビデオ鑑賞会を行った.これはNHK教育がやどかりの里を利用するメンバーの日常を取材し,30分番組にしたものである.出演した人たちが普段とまったく変わらない様子が面 白く,会場からは所々笑い声が出た.中でも,「やどかりに来て良かったことは人との出会い.人を信じて生きていきたい」というメンバーの声が印象的だった .

 これまで私は,番組に出ていたメンバーから直接このような思いを聞いたことがなかった.改めて精神的に豊かな心持ちでそれぞれが生活していることを知り,そこに至った経緯をもっと聞いてみたいという衝動にかられた.そして,私たちに,生きていく上で大切なことは,何かを教えてくれたように感じ,たくさんの元気いただいた.

(鈴木 恵)


先月の動き

2003年

<9月>

9/2 「さるす」編集会議に長谷川出席
9/2 ヘルスケア関連団体ネットワークワークショップ報告集編集会議に増田,西村,工藤出席
9/3 聖学院大学より6名体験研修,吉江講演
9/3 さいたま市宅配食事サービス事業調理委託施設担当者連絡会に山本,香野(恵)出席
9/4 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会役員会に香野(恵),渡辺,三石出席
9/6 みのり会父親会にて香野(英)講演
9/6 小規模授産施設開設準備委員会開催
9/6〜11 日本福祉大学より1名精神保健福祉士資格実習
9/7 おおみやリサイクルマーケットにルポーズ,ドリームカンパニー出店
9/8 さいたま市精神障害者小規模作業所連絡協議会世話人会に中村出席
9/8 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会労働部会に堤、香野(恵)出席
9/9 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会生活支援センター部会親睦会実行委員会に
    渡辺,石黒,原出席
9/9 武庫川女子大学より1名,高知女子大学より1名,吉備国際大学より2名,
    つつじ会より1名体験研修
9/9〜10 大阪府立大学より5名体験研修,菅原(進),菅原(和)講演
9/9〜10 関東社会就労センター協議会研究大会にて武田発表,増田,黒崎,香野(恵)参加
9/10 足立区地域生活支援センターにて吉江講演
9/10 埼玉県精神保健福祉士協会研修部会に 白石,堤出席
9/10 埼玉県精神保健福祉士協会中央地区会に鈴木(恵),玉手出席
9/11 埼玉県精神障害者小規模作業所連絡会事務局会議に高村出席
9/12 全国精神科作業療法協議会全国大会にて辰村、菅原(和)講演,長谷川書籍販売
9/12 さいたま市精神障害者小規模作業所連絡協議会発会式に石黒,檜山,宗野(文)
    中村,高村出席
9/12 ボランティア交流会開催
9/13 やどかり研究所運営委員会,やどかりサロン開催
9/15 「さるす」特集座談会に長谷川出席
9/16 中部学院大学より12名体験研修
9/16 埼玉県精神保健福祉協会広報編集委員会に宗野(政),福島出席
9/16 福祉の店「人力車」定例会に高村出席
9/16 さいたま市ふれあいスポーツ大会準備会に鈴木(恵)出席
9/17 ワークショップわくわくの会で,スワ ンベーカリー銀座店,落合店見学
9/18 埼玉県精神保健福祉士協会役員会に白石,堤出席
9/18 おおみやリサイクルマーケット打ち合わせに宗野(文)出席
9/19 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会生活支援センター部会に白石,
    渡辺,三石,原,高村出席
9/19 リカヴァリワークショップ(帯広)にて香野(英)講演
9/19 国立吉備高原職業リハビリテーションセンターより1名施設見学
9/19 埼玉県精神保健福祉士協会世話人会に 鈴木(恵)出席
9/20 やどかりサロン開催
9/21 さいたま市染谷自治会フェスティバル実行委員会に宗野(政),長谷川出席
9/22 リカヴァリワークショップ(日本女子大学)にて香野(英)講演,
    増田,白石,黒崎参加
9/24 埼玉県精神保健福祉士協会研修部打ち合わせに堤出席
9/24 埼玉県社会就労センター協議会雇用問題研究委員会に香野(恵)出席
9/24 埼玉県精神保健福祉士協会研修部会に白石,堤出席
9/24 札幌のほほん工房より3名体験研修
9/24〜26 「響き合う街で」新潟県五泉市にて増田,長谷川,黒崎取材
9/25 むさしの会より4名体験研修
9/25 さいたま市与野障害者団体協議会理事会に佐々木,檜山出席
9/25 さいたま市食事サービス連絡会に金子,小泉,坂本出席
9/25 埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協 議会初任者研修に玉手,鈴木(裕),木戸参加
9/25 精神障害者社会適応訓練事業運営会議に鈴木(美)出席
9/26~27 リカヴァリワークショップ(長崎)にて香野(英)講演,工藤書籍販売
9/26~27 日本精神障害者リハビリテーション学会(長崎)に澁谷参加
9/26 札幌のほほん工房より3名体験研修
9/26 さいたま赤十字看護専門学校より12名体験研修,宗野(文),辰村講義
9/27 ハイツ元町自治会臨時総会に白石,渡辺,福島出席
9/27 埼玉県社会福祉士会主催成年後見制度 活用講座に渡辺,宗野(文)参加
9/28 埼玉精神神経センターフェスタにあゆみ舎,ルポーズ出店
9/29 埼玉県精神保健福祉士協会全体研修会に白石,渡辺,三石,福田,福島,玉 手,
    堤,鈴木(恵),澁谷,中村参加
9/29 さいたま市障害者施設推進協議会会合に増田,香野(英)出席、辰村傍聴
9/29 埼玉県セルプ協議会総務委員会に
増田出席
9/30 さいたま市精神保健福祉審議会に増田出席 
9/30 日本健康福祉政策学会編集委員会に増田出席
9/30 精神障害者社会復帰施設運営協議会宿泊部会支部会に福田参加



 

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