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やどかりの里と私
活動の原点に立ち戻る「里祭」
やどかりの里が活動を開始したのは1970(昭和45)年8月15日,この日を記念して毎年8月に「里祭」が開催される.今年は8月2日に開催,長年やどかりの里の会員として参加している方から,今年度生活支援センターに登録したばかりで,これから会員になりたいと初めて参加した方まで,50名近くが集まり,「3年後のやどかりの里と私」というテーマで語り合う時間をもった.
やどかりの里では,職員研修会,若手の職員がやどかりの里の歴史を学ぶ自主的な学習会(温故知新班)での学習,そして今年度から始まったビジョン検討委員会と,学習や話し合いの機会を多様にもち,やどかりの里の歴史を丁寧に学ぶ機会をつくってきた.また,本紙をはじめとして,活動を記録として残していくとりくみも長年続けられ,研修・研究・出版の3つの柱が組織活動にしっかりと位置づいていることが,40年近くたった今も変わることなく活動理念が継承されている理由ではないだろうか.そして,年1回開催される里祭も単なる記念の日ではなく,やどかりの里の歴史を改めてたどり,関わってきた人たちの思いに触れる大切な学びの機会となっている.
やどかりの里の活動に長年関わっている人たちは,みなやどかりの里のことを「里」と呼ぶが,そこには,ふるさとのようなあたたかさや,仲間が集まる場所といった響きがある.今年の里祭は,日頃あまり顔を合わせることのない人たちが一同に「里」に集まり,1人1人が自分の思いを語り合う,そんな時間であった.その中で,やどかりの里の創設者の1人である「茶の間のおばさん」こと今は亡き志村澄子さんのことが多くの方の発言の中に登場してきた.古き良き「里」の原点ともいうべき,茶の間の空間やそこにいた志村さんの姿が目に浮かぶようであった.あるメンバーが「無条件に受け入れられる環境」と表現しているように,家族にとっても,メンバーにとっても,職員にとっても,茶の間は疲れた羽を休め,傷ついた羽を癒すそんな場所であった.
しかし,ここ十数年は,活動が地域に広がり,組織も拡大し,それぞれに休むことなく走り続けているような状況が続いている.そこに障害者自立支援法の大波が追いうちをかけ,誰かが躓けばみんなが転んでしまうような,そんな危機感がそれぞれの活動現場から見え隠れしている.そんな状況だからこそ,夢を語り合う今年の里祭のような時間をもつことが,明日のやどかりの里を切り拓いていく力やエネルギーになっていくのだろう.今年の里祭には,かつての茶の間を彷彿とさせる時間と空間があった.
「3年後も,こうした思いや願いを語り合えるやどかりの里でありたい」,そんな思いを1つにした時間であった.
これからもやどかりの里にとって,8月は「里」の原点に立ち返る大切な日である.そして,障害者自立支援法が成立した10月31日もやどかりの里にとって忘れ難い日となった.これまで運動を共にしてきた全国の多くの仲間と自立支援法の問題を改善するために語り合い,力を出し合い,私たちの声を社会に届ける,そんな日にしたいと思う.
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