-TOPICS-

機関紙「やどかり」5月号
(2006.5.15発行)


<1面 記事>

2006年4月障害者自立支援法施行

やどかりの里の共通のビジョンを描くために 緊急出版とセミナーの開催

 
 障害者自立支援法は施行1月もたたないうちに,さまざまな問題を投げかけている.
 精神障害分野では,グループホームやホームヘルプサービスを受ける際に,1割の利用料の徴収が始まった.やどかりの里でも数人の人が該当することになった.グループホーム入居者は,さいたま市からの説明を受け,手続きを行った.今までと何も変わらないのに,利用料が必要になったのだ.

 もっと大きな変化は,知的障害,身体障害の支援費による施設だ.授産施設や入所施設でも利用料が必要になり,これまで通所施設の食費や入所施設の食費や水光熱費は支援費で賄われていたので,実費負担はほとんどなかったが,利用料に加えて実費負担まで始まった.利用料負担が大きいことを主な理由にして,施設を退所する動きが出始めている.関係者によれば,5月の連休明けに各自に請求書が届くと,その実際の数字を見て,退所者がさらに増えるのではないかということだ.

 また,毎日通っていた人が通所日を減らす,給食を食べていた人がお弁当を持参するようになる,といったいわゆる利用抑制も始まっているようだ.これは対岸の火事ではない.やどかりの里のメンバーも,自分の通っているところがどうなっていくのか,補助金が減って,職員が今までどおり働けるのか,利用料を払ってまで,働きに行くのか,不安の声が上がっている.

 精神障害の社会復帰施設には,5年間の移行措置があるが,いずれは新しい事業に移行しなくてはならない.地域生活支援センターは,10月以降は新しい事業に切り替わる.大きく変動する年になることは間違いない.
 「応益負担」は,これまでのメンバーと職員の関係性を変質させ,サービス利用者と提供者に分けていく.この分けられていく仕組みに自覚を持って対峙することだ.これまで大切に培ってきた協働の活動づくりを確認しながら活動を進める自覚が大切だ.

 情報共有と学習,この積み重ねを丹念に行い,私たちの進む方向性を導き出していかなくてはならない.そのために,やどかり出版では障害者自立支援法をめぐる3冊の緊急出版を準備中だ.5月27日の定期総会で,その内の1冊,ないしは2冊を出版する予定で,連休を返上し,準備を進めている.

 やどかりの里や障害福祉に関係する多くの人にこの緊急出版を読んでいただき,ともに考え,この難局を乗り切る知恵を出し合うきっかけにしていきたいと考えている.
 また,7月には障害者自立支援法と介護保険法を切り口にした第8回やどかりの里・人づくりセミナーを準備中だ.学習すること,話し合うこと,共通のビジョンを描くこと,近視眼的にならずに,展望を描き,それに向けた活動計画を立てていく必要がある.一方で,法や制度の不備を改善していくための政策提言に向けた準備も必要だ.

 「3障害がいっしょになってよかった」と実感できるように活動を進めていかなくてはならない.


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