<1面
記事>
平成15年度活動方針(案)
ネットワークづくりと財政基盤の確立
政令指定都市「さいたま市」での挑戦
4月1日,さいたま市が政令指定都市となり,市内には9つの行政区が生まれた.これは,やどかりの里にとっても1つの転機であろう.ここ数年さいたま市内のネットワークづくりに大きなエネルギーを割いてきたが,さらにきめ細かく区内のネットワークづくりを意識することになる.やどかりの里の各活動は見沼区(本部,授産施設,援護寮,大宮東部生活支援センター,作業所ドリームカンパニー,なす花,グループホーム5か所,福祉工場),大宮区(大宮中部生活支援センター,作業所あゆみ舎,ルポ−ズ,You遊,グループホーム3か所),中央区(作業所まごころ,グループホーム2か所),浦和区(浦和生活支援センター,上木崎憩いの家,グループホーム2か所)の4区にわたる.各活動がそれぞれの区の中で,さまざまな関係機関と日常的につながり,区役所のさまざまな担当課や社会福祉協議会の人たちとの連携のあり方を模索する1年となろう.空中浮遊都市「やどかりの里」を脱却し,地域に根ざした活動を志向するためには重要な取り組みである.
一方で,さいたま市全体を意識することも重要である.市内に精神障害を持った人たちの地域での暮らしを支える資源が偏在している現実を,どのように考えていくのか,これもネットワークづくりの中で進めることであろう.
同時にやどかりの里が運営する地域資源が多くの人たちにより有効に提供されているのか,常に点検する意識が必要である.そして,それは精神障害者にとってどうなのかという捉えだけではなく,やどかりの里の活動が存在する地域や地域住民にとって,「やどかりさんがあってよかったね」といわれる活動づくりを目指すことでもある.
やどかりの里の大部分の活動は補助金に依拠する活動となっている.しかし,補助金は使途が明確に定められており,十分な活動を進める際には不十分である.そのためには,どのように財政基盤を確立させていくのか,法人の独自の自己資金獲得は今でも変わらぬ
大きな課題である.さらに資金獲得のための活動をネットワークづくりの運動と表裏一体のものだと捉える発想が求められている.
そして,こうした運動を支え,推進していくのは,関係する人々の対話であり,メンバーと職員協働の活動づくりであり,学習である.そして,活動の方向性を見失わないための見直しと見通
しを描く作業を繰り返していくことであろう.
私たちを取り巻く状況は,決して安穏としたものではない.やどかりの里のことを考えているだけでは,やどかりの里の活動を守り,発展させることはできないことがはっきりしてきた.地域の中で自分らしく暮らし,働き,楽しみ,成長することを実現していくためには,1人1人が自覚的に生きることが不可欠である.
第三木曜会報告
情報共有・情報発信する場,第三木曜会の意義
今月の第三木曜会は,2003(平成15)年3月20日に行われた.
1.2003(平成15)年度事業計画案検討
1)2003(平成15)年度活動方針案検討
上記に2003(平成15)年度活動方針案が掲載されている.この活動方針案について,検討した.
2002(平成14)年度は,ネットワークづくりも政令指定都市さいたま市も意識して活動した1年だった.やどかりの里の活動は,やどかりの里の中だけのことをみていてはやっていけない.社会福祉基礎構造改革などの大きな流れの中,補助金に大きく依拠していれば,現在行っている活動すら維持できなくなるだろう.そんな危うい状況に私たちはいる.それでも自分たちが必要だと思う活動をしていきたいとき,運用に制約を受ける補助金でなく自己資金が必要だ.そういった背景の中で書かれた2003(平成15)年度の活動方針案だった.
活動案の題名は,「ネットワークづくりと財政基盤の確立 政令指定都市『さいたま市』での挑戦」に決まり,内容も了承された.今後は理事会を経て,総会で検討する.
2)2003(平成15)年度から変更する活動
与野生活支援センターが2002(平成14)年度いっぱいで終了する.作業所食事サービスセンターまごころと併設の生活支援センターとしてスタートした.補助金をもらわずに今まで活動を続けてきたが,経済的な厳しさと,生活支援センターとしての機能を果
たしきれない現状から,看板を降ろすことになった.
また,まごころは,作業所の枠内では現在の活動を続けていくことも難しく,今の雰囲気や内容を変えずに発展させていくため,小規模授産施設の申請をする.そのための準備室などを新たに設ける.詳しくは,「トピックス」を参照してほしい.
新規事業としては,生活支援新規プロジェクトが始まる.退院促進チームと単身生活支援チームの2チームで,長期入院者の退院促進を進めていく.年度ごとに見直しをして,いずれは生活支援センターや援護寮に機能を吸収させていく.また,作業所あゆみ舎にあった人材派遣の部門を独立させる.
2.第三木曜会について
毎月第三木曜日に会館2階で行われているこの会が定例会化され,数年が経過した.出席者の減少もあり,あらためてこの会の意味について話し合った.情報共有,学習,法人会員が誰でも参加でき意見を集約できる場としての意味がある,というチーフ会議の話し合いが報告された.
次に,出席者の意見を出し合った.「出席できなくても,会議録で情報が共有できてよい」「やどかりの里の全体のことが直接伝わってくる大切な場」など情報共有の場として重要だと感じている人が多かった.また,「バザーの実行委員をやるが,さまざまな立場から意見をもらえる場があるのが心強い」「情報をもらう場だと思っていたが,自分から情報や意見を発信する場でもあることに気づいた.これからはやっていきたい」といった,この場を活用したいという発言も多かった.
そして,第三木曜会の議題は,会員から提案されたアイディアをチーフ会議で集約していくことになった.月1回の貴重な機会,それぞれ活用してほしい.
(黒崎 夢)
|