-TOPICS-

機関紙「やどかり」2月号
(2006.2.15発行)


<1面 記事>

「共生の原理」の可能性
障害者自立支援法施行を前にして

 障害者自立支援法の施行が4月に迫り,事態への対応が慌ただしくなってきた.
 先月からさいたま市では,各区において説明会が行われ,早速,精神科帳院医療費の公費負担制度(通称32条)から自立支援医療への切り替え手続きが始まっている.また今月には,自立支援給付の4月施行事業である居宅系サービスと言われるホームヘルプサービスやグループホームの利用と負担に関する手続きも始まる予定だ.

 法人内に設置した自立支援法に関する対策本部も,3つのワーキングチーム(居住・就労・生活支援)が動き始めた.ワーキングのねらいは,第1に,個々のメンバーに生じる生活への影響を明らかにすること.第2に,施設活動の実態と有効性を分析すること.第3に,活動の継続という視点から新制度の活用法を探ることにある.
 法施行の具体性は,213項目におよぶ政省令にあり,新たに知ることになる事柄は多岐に渡り情報量も多く,公布自体も遅れている.
 組織体制の具体化については,報酬基準の考え方や職員の配置等の実施要項が明らかにされてからの検討ということになろう.

 何よりも理解すべきことは,この新制度の中で,やどかりの里に関わる誰1人として,暮らしへの影響がでない人がいないということである.そして,新制度の考え方とその構造は,競争の原理と自助努力の原則を標榜する政策の上に成り立っていることであり,この点で社会福祉の根底がゆるがされる状況下にあるということだ.
 組織としては,最終的には新制度を受け入れることになるだろうが,これまでに獲得してきたメンバーと職員の対等性や積み上げてきた協働の価値と理念を捨て去るわけにはいかない.

 私たちは,障害のある人のあるがままが尊重され,人間的な生き方・幸福を追求するという普遍的な価値に基づき,個人の尊厳に基礎をおいて,自己決定を尊重すること,多様な価値,多様な人が共存しうる社会秩序を維持するという「共生の原理」に基づく実践を貫いてきた.

 困難な局面を向かえることにはなるが,活動理念,忘れまじ,今一度,会員同士,「共生の原理」の可能性を確かめ合い,知恵と行動を結集し,眼の前に迫る事態への対応はもとより,自立支援法の3年後の見直しに向け,地域の仲間と共に,誰もがいきいきと暮らせる社会をつくりだす積極的な提案を行っていこうではないか.

 


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