-TOPICS-

機関紙「やどかり」1月号
(2007.01.15発行)


<1面 記事>

2007年 私たちが切り拓いていく世界

 
  2006年は,やどかりの里にとって,新たな地域精神保健福祉活動の一歩を踏み出した1年であった.
 さいたま市においては,多くの関係者との連携した取り組みが進んだ.たとえば,さいたま市における障害者自立支援法(以下,自立支援法)による負担軽減措置を求める請願署名活動,障害者協議会と障がい者施設連絡会との共催による継続した学習フォーラムの開催,行政と障害者生活支援センターとの定期的な話し合い,関係者による退院支援事業の取り組みなど,様々な関係機関との共同の取り組みが進んだ.
 合わせて,市議会の傍聴を通して,さいたま市の施策がどのように決まっていくのか,住民の声はどこまで施策に反映されていくのか,その過程を知ることともなった.

 全国的には,10月31日に開かれた自立支援法の見直しを求める大フォーラムに参加し,法によって暮らしが後退することのないよう,障害のある人たちとともに切実な声を訴えた.
 様々な学習の機会を通して,社会を見る目を育て,自ら行動する力を培ってきた1年だったと言える.そして,こうした取り組みから,1人1人の権利意識が育ってきている.

 しかし一方で,自立支援法に翻弄された2006年であったとも言える.しかし,自立支援法の本質的な課題を見つめる努力をしたり,自立支援法によって,障害のある人の暮らしやいのちをこの国,また地域においてどう守っていくのか,やどかりの里の組織活動を見直し,関係者とともに知恵を出し合う機会を作り出してきた.
 関係機関の人たちとの連携は,障害のある人も含め,私たちにとって暮らしやすい街づくりへの転換を図っていくことに繋がっている.それは,障害のある人の問題を少数者の問題ではなく,多くの市民の問題へと転換していくことでもある.
 障害のある人とともに学び合い,育ち合い,障害のある人も,そうでない人も,自分らしく暮らし,働き,生きていくことが可能となる社会をつくっていく.そこに,私たちの活動の大きな目標がある.
 2006年度の様々な取り組みを今後も継続し,発展させていくことが重要である.学習を重ね,権利意識を育てながら運動を進めていくことを通して,自立支援法を部分にした新たな道を見つけていくことが,2007年,やどかりの里の目指すべき方向であろう.

 やどかりの里は,生活協同組合やアメリカの社会的企業の実践を学習し始めている.住民の切実な生活要求を実現するため,学習を基盤に据えた組織活動と社会運動としての生活協同組合の運動は,これからの私たちの地域活動に示唆を与えてくれた.
 地域には,さまざまな生活課題や健康課題がある.自立支援法だけでなく,改訂介護保険法,医療制度改革等々,社会保障の水準が低下する中で,切り捨てられていくものがある.だからこそ,身近な地域でのつながりが大切になる.その中にこそ,これからを切り拓く鍵があるはずだ.新たな道を模索する2007年としていきたい.


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