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-やどかりの里の歩み-
以下はやどかりの里の活動の変遷をメンバー(精神障害者)の声を中心にまとめたものである.
秩@やどかりの里の誕生 (昭和45〜47年)
^ 閉鎖的な精神病院に入院していた患者さんが退院できなかった現実.
「宿舎」を提供し,退院を可能にした.
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患者の訴えをすべて信じて行動したソーシャルワーカーが行動を開始した.
「病院」が病気を作っている.
*長期化した入院は生活感覚のずれを引き起こしました.退院後1週間してパートの勤務を始めましたが,自分では気づかないけれど,頭が働かないのです.薬も相当多かったのでしょうが,毎日眠くて長期入院の弊害を思い知らされました.
_ 退院後の患者の責任までは見られないという精神病院
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病院とは別枠の社会福祉的援助事業(中間的な共同住居の活動)
*病院から逃げ出したこと3回あるんです.いわゆる缶
詰でしょ.なにか押しつけられた気がするんです.病院に入っていれば食べさせてくれるが,ここでは自分たちでやらなくちゃいけないという気持ちですね.ここにばかり世話になっているのもできないという気もあって,自活していかなきゃというふうになりました.
` 企業の提供する建物の2階の「宿舎」から立退を迫られる.
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地域のなかでの社会復帰活動
*こういう民家のほうが落ち着くという感じがする.庭がもう少し広くて夕涼みでもできるようなスペースがあったらいいと思う.
a 精神病院の外来で行われていたデイケア活動が病院の都合で廃止となる.
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病院が駄目なら地域の中でアパートを借りても続けようという患者の声.
*私達の立場としては,これから悪くなったときに,頑張る場所がなくなってしまう.皆さんが必要性は認めているのだから,デイケアの原点に立って考えていきたい.患者1人の力では無理で,私達家族を含めて意見を出しあいたい.後はもうみんなでやるだけだと思う.
刀@現在の中川での借家での新たなスタート(昭和46〜平成元年)
^ ごく当たり前の生活をテーマにして
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精神障害者は自分で判断し,選択し,自分のことは自分で責任をとれる人
*爽風会(仲間づくりのグループ活動)在籍の思い出としては仲間から得た数々のことです.薬は絶対やめてはいけない.やどかりの里の仲間は決して傷つけ合うということがありません.メンバー同士の信頼感や深い思いやりがあるからです.
_ 地域社会が精神障害者を拒絶.
「精神病院を出た人はアパートに入れておくわけにはいかない」家主からの立退き要求
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地域の組織化と文化活動(活動の拡大)
*やどかりの里に通 い皮工芸の教室(やどかりの里行った文化活動の1つ)に行ったことにより,自分にもできるという小さな自信が持てるようになり,不安な毎日ではあるが,一筋の光がちょろちょろと燃えてきている.
` 活動の拡大による財政破綻,活動の縮小
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憩いの家としての活動 地域住民の支援ー地域住民参加型の活動の基盤
当事者の主体的参加の活動
*一生病をもって歩んでいくものとしては,果
たしてやどかりの灯が消えてやっていけるのだろうか.やどかりが亡くなったら私達はどうなるのだろうかという不安.財政上の危機を言われて久しいが,会員獲得には我々メンバーももっと真剣に取り組まなければならないのではないか.今,大きな決断と勇気がメンバーに必要のように思うのだけれど.
a 健康の自己管理と仲間づくり
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病の部分に注目するのではなく,健康な面
に焦点をあてる.
*今ある自分というところでものを見ていくと非常に楽なのです.今は今なりの良さがあるということは,もし私が病気をしなかったらと思うのです.祖母の理想とする生活を踏襲した超道徳的な,勝ち気でガリガリ猛者の味もそっけもない女になっていたと思えます.失敗をして道草を食いましたけれど,弱い人や社会の色々なものを見て,少しは人間を見る目が開けてきたと思います.
b 活動の普遍化への努力
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実践,研修,研究の三位 一体化への意識
煤@社会復帰施設建設から生活支援態勢づくり
^ 精神衛生法から精神保健法へ
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社会復帰施設(通 所授産施設と援護寮)の建設
24時間の電話相談,デイサービス,食事サービス,入浴サービス
*援護寮には6〜7か月いましたかね.慣れてきたから自分から出たいといいました.1人で暮らしてみたいなあと思えてきたということですね.自分1人でいる城というものがほしかった.アパートに出て困ったのは近所の人との付き合いでした.それでとにかくあいさつをしようということ,アパートのまわりをきれいにしようと思いました.そんなことをしているうちに八百屋のおかみさんとも親しくなったのです.
_ 社会資源の開拓,開発
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作業所づくり,グループホームの開拓
長期入院者が地域へ
*入院していた期間は38年間.退院してやどかりの里にお世話になって2年ですが,ずいぶん幸せな思いをしたなと思いました.あゆみ舎(地域作業所)は食事がおいしくて喫茶の仕事もできるし,病院とは天国と地獄の差があります.
普@サービスの利用者から地域に貢献できる存在へ
^ 街のなかの喫茶店 喫茶「ルポーズ」の開店
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街の人への憩いの場の提供
*今まではあゆみ舎の中だけの喫茶だったんですけど,これからは一般
の人にも来て頂きたいです.これは責任重大だと思って,心の支えになります.
_ 作業所「まごころ」が他の障害者施設へ食事の宅配
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精神障害者だけの活動からの広がり
` やどかり情報館(精神障害者福祉工場)の開設
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利用者から労働者へ
*9時から5時まで働くのが無理だったら,短縮して10時から4時くらいで,そういう保護工場のようなものがあればいい.そういう労働条件が揃えば働ける可能性も出てくる.
a 食事サービスセンター「エンジュ」のスタート
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地域の高齢者や障害者への食事サービスの提供
職員主導の活動からともに創り合う活動へ
やどかりの里は,活動の当初から精神障害者の声を聞きつつ活動を展開してきた.しかし,ソーシャルワーカーを中心とする専門職がイニシアティブをとり,活動を推進してきたというのが現実である.ここ数年創設者でもあるソーシャルワーカーのリーダーシップに基づいた活動展開が,活動の広がりとともに限界が見え,組織のさまざまな問題が明らかになっていった.その問題に直面
して,信州大学医学部公衆衛生学教室の丸地教授の協力のもと,やどかりの里・人づくりセミナーを実施した.人づくりセミナーを重ねる中で,1人1人が主体的に活動に関わり始め,やどかりの里の組織の民主的な運営を意識し始めた.そして,職員を中心とした活動から精神障害者とともに活動を担うという転換を図っているところである.ともに創り合う活動とは,障害者と職員が活動に関わる情報を共有し,お互いに学び合い,共感に基づく対話を重ねることから始まっていく.一見非効率的な活動であるが,民主的な活動づくりの基盤になるのであろう.
<参考文献> 谷中輝雄:生活支援;やどかり出版 三石麻友美他著 生活支援 ;やどかり出版
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