保健婦が生き生きと活動するために
住民との新たな関係づくり
保健婦の状態調査が示すもの


  版元:やどかり出版
B5版  187頁
本体価格 2,200円
ISBN4-946498-53-2

在庫あり
編者 
保健婦状態調査研究会
初版発行 
2002年1月
 

 「最近,保健婦は元気がないね」と言われるようになったのは,地域保健法が施行された辺りからでしょうか. (中略)もともと「地域の状態を知る・住民の状態を聴く」というところから,私たちの仕事は始まったはずです.しかし,現状では,保健婦が直接住民の思いや声が聞けないまま,住民の思いとは別 の次元で事業が行われているように思います.縦割りで降りてくる事業に住民の生活を合わせるようになり,保健婦はしだいに地域に出られなくなっています.しかし,住民は保健婦が来ることを待ち望んでいます.保健婦の仕事のありようが,これほど問われている時代はないだろうと思います.

  今回この本に収録した保健婦たちの報告から,地域の課題を住民と共有できた時,住民は大きく動き出す力を持っていることに気づかされ,新しい住民との関係づくりが始まっていることを示しているように思います.今の暮らしづらい社会が,身近なところから変わり始めているように思われます.この本の編集に携わりながら,現実を打破していく大きな力が胎動し始めていることに実感することができました.10編の記録に書かれたその力を読み取っていただきたいと思います.
(保健婦状態調査研究会「はじめに」より抜粋)

  日常業務に調査を反映させようとする時,従来は数量化し,分析する手法が一般 的でした.今回の調査では個人に焦点を当てて,約2時間語り手の気持ちに沿いながら,終了後には聴き手として語り手から汲み取った内容を調査団メンバーと共有し,分析するという,数量 化できないものにもかかわらず,地域やある集団の状態像が浮かび上がるというものでした.そして,語り手はもちろん,語り手になっていない地域住民,行政関係者等とともに開く報告会を通 じて,地域の課題,問題を共有し,事業化,施策化につなぐというものです.これは日常業務の範疇だけや,1つの職能だけの取り組みでは困難なことです.
(保健婦状態調査研究会「おわりに」より抜粋)



目 次

 はじめに       鈴木 文熹
 第1章 聴く・学ぶ・共感する
  1.わたくしにとって状態調査とは何か
  2.これから状態調査を取り組もうとしている保健婦に向けて
  3.今まで保健婦が取り組んできた状態調査の若干のまとめと,これからの保健婦
 第2章 生活・労働・健康の総合的アプローチ
     状態調査の実践10例
 1. 校区単位でボランティア−グループが自主的な集会を 伊南富士子
 2. 上小保健婦(士)会成人保健部会が青木村を
   フィールドに退職者の状態調査を       宮澤 章子
 3. 住民180人が参加した報告集会        桑原由美子
 4. 山間の小さな村が動き始めた         中村 昭子
 5. 看護協会の先駆的保健活動交流推進事業研修会を取り組んで 石塚 和子
 6. 高山市のひとり暮らし高齢者が主体的に生きることができる地域づくりを目指して 長瀬 静代
 7. 軽い痴呆は老人保健係,重度の痴呆は予防係で 高橋ひとみ
 8. 介護保険後の分断の中で保健婦とヘルパーの   気持ちがつながる 阿部 尚子
 9. ばらばらだった住民が調査をきっかけにつながりを 三浦いづみ
10. 競争社会ではない価値観の自覚化
   やどかりの里のメンバー・職員の状態調査 三石麻友美
 資料編
 おわりに


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