アトリエなす花 (精神障害者小規模作業所)


<平成20年(2008年)度事業計画>

  今年度の重点課題は,@ 販路の拡大と在庫管理の徹底,A メンバー個々のスキルアップへの支援,B 事業移行先の確定である.
  昨年度,在庫管理が不十分でイベントでの販売機会を生かしきれなかった反省を踏まえ,毎日の打ち合わせやミーティングを在庫管理に活用し,製作の優先順位を見極めて作業に取り組んでいく.それにより,従来の販路を最大限生かすとともに,更なる販売の機会の確保も目指す.また,近年着実に向上・安定しているメンバー個々の技術について,やりがいを持って取り組めるよう,更なるスキルアップに向けて支援していく.メンバーとの定期的な振り返りと支援計画の見直しをより丁寧に行い,具体的な目標を持って取り組んでいく.最後に,障害者自立支援法にもとづく事業への移行に関して,ドリームカンパニーとの合同ミーティングにて検討し,メンバーにとって最善の形を探りながら,早急に具体化したい.


<平成19年(2007年)度事業報告>

 今年度のアトリエなす花は,@ 事業収入の安定と向上,A 安心して働ける場の保障,B 市内在住の精神障害のある人の働く場として「働きたい」ニーズに応えていくことを課題とし,活動に取り組んできた.

1)高品質な作品を効率的に製作する
  今年度は4名の新規利用者を迎え,従来のメンバー各自の技術は着実に向上・安定してきた.例えば皮製のしおり等平面的な作品の制作が主だったメンバーは「今年度初めて(立体的な)ストラップに挑戦し,仕事の幅が広がった」と語っている.一昨年度より続けている,写真に撮った見本を参考にした制作への取り組みの成果もあり,高品質の製品を常に生み出せる状況が定着した.時にはメンバーからの提案で新たな製品が生まれている.その結果,NHK学園高等学校専攻科(福祉を学ぶ通信教育)が発行する,全国の受講生に配布される機関紙「CS通信」の表紙写真に,年間を通して採用されたのは非常に嬉しい出来事であった.
  また,今年度は可能な限りイベントに多数出店し,委託販売先を2か所増やすなど,販路の拡大にも努めた.メンバーから「もっとイベントに出て,販路が広がるといい」という積極的な意見も聞かれる.一方ではイベントの立て込む秋から初冬にかけては在庫薄となり,せっかくの販売の機会を活かしきれなかった.また,同時期に製作を優先したこともあり,ミーティングを充分行えなかった.
  今後は日々の作業に入る前に,作業の優先順位を確認する打ち合わせを行い,ミーティングの場を在庫管理にも生かすなど,より効率的に製作に取り組めるよう工夫する必要がある.それによって安定的に在庫を確保し,販売の機会を最大限活用して,売上げの更なる向上につなげたい.

2)新規事業ギャラリー・すてあーずの活用
  ギャラリー・すてあーずは,昨年度ドリームカンパニーと合同で始めた共同開発プロジェクトにおいて,新たな収益を上げるためのアイデアを話し合う中で生まれた新規事業である.両作業所をつなぐ階段の壁面及び踊り場の空きスペースをギャラリーとして活用している.立ち上げ当初の8月には市内在住の写真家・大西暢夫氏にご協力いただき,写真展を開催した.共同開発プロジェクトは12月で終了し,ギャラリーの運営管理は現在,後述の合同ミーティングで行っている.
  11月からは,そのギャラリー・すてあーずにおいても,アトリエなす花の製品を継続的に販売している.現在は市内のデイケア施設にも製品販売に活用していただいており,他施設の製品の長所を参考にでき,かつお客様の要望を直接聞ける場にもなっている.

3)交流の機会の確保
  忘年会や新年会をドリームカンパニーとともに行い,アトリエなす花のみでも,日帰り旅行として水族館へ出かけた.これまであまり活発でなかったレクリエーション活動だが,徐々に参加者が増え,作業所内の仲間同士や,同じ建物で活動するドリームカンパニーとの交流の機会となっている.
  また,9月からは両作業所の合同ミーティングを月1回行っている.昨年度は「同じ作業所でも働く曜日が違うと会うことがなく,知らない人が多くなってしまった」という声も上がっていたが,合同ミーティングは両作業所ともに可能な限り全員参加としており,普段会えないメンバーと知り合える機会にもなっている.率直な疑問や意見を出し合えることでも貴重な場であり,今後も継続していく.
(渡辺 里子)