やどかりの里グループホーム (共同生活援助事業,共同生活介護事業)


<平成20年(2008年)度事業計画>

  グループホームでは昨年同様,利用者が地域において安心して暮らしていけるよう支援を行う.
  疾病や加齢,障害の重複により身体が十分に動かせない等による家事援助や同行支援,身体介護等のより充実した支援の必要性は高くなってきている.
  また,高齢のため体力が落ち,引きこもりがちになる人,働きたいのに就労へのきっかけを持てずにいる人に対して,張り合いのある暮らしの実現に向けた支援に取り組んでいく.
  今年度はこのように多様なニーズに対応し,個別支援の充実に向けて取り組んでいく.併せて,疾病を早期に発見し,対応を検討するための健康診断や食生活を含め健康に配慮した学習会の実施等,予防を意識した取り組みも行う.また,昨年同様,利用者間の交流をはかるための機会をつくる.


<平成19年(2007年)度事業報告>

1)自立支援法への対応
  法施行2年目に入り昨年ほどの混乱はなかった.しかし自立支援法自体の問題は全く変わらないため,利用者は,利用料の支払いを毎月続けている.障害があるが故に,経済的な負荷が掛かっている状況は変わらない.
  4月よりさいたま市独自の施策で利用料が半減され,若干の負担軽減となった.今後も制度見直しへの取り組みを続けていく必要性を強く感じている.9月より請求事務がインターネットを介し国民健康保険連合会へ直接請求する方法に切り替わった.

2)新規利用
  自立支援法によりグループホームの設置基準が変更になり,昨年度末で5名の利用者が退所を余儀なくされた.今年度は3名の新規利用があり,定員40名,実利用39名となった.現在新たに1名が利用準備中である.新規利用の半数が援護寮の退所者である.援護寮は地域で安心して暮らすための大切な準備の場となっている.またさいたま市の退院支援事業を経て利用に移る人もおり,退院支援事業が確実に地域生活移行への架け橋になっている.

3)家事支援,身体介護,同行支援
  掃除,洗濯,食事づくり等の家事や通院,外出,手続きの同行,入浴時における身体介護等を必要に応じて行ってきた.衣食住における暮らしの術を身に付けたい,疾病や加齢,障害の重複によって体が十分に動かせないため支援が必要等の理由である.今年度,週1回以上継続して家事支援を提供した人は6名.グループホームでの家事支援の必要性は増加している.この現状を踏まえ,10月より居宅介護事業準備委員会の協力を得て,利用者に対しヘルパー派遣を行えるようになった.複数で支援に入ることにより,本人への理解をさらに深めることができ,また,より多くの人への直接支援が可能になった.

4)健康課題への対応
  現在病院に入院している人は6名で,利用者全体の1割強に上る.内訳は精神科3名,整形外科1名,他科2名である.入院期間の長期化,他疾病との重複が特徴的な傾向である.他疾病での入院は専門的な治療が必要であり,グループホームでは十分な支援が行えないための入院であった.入院中も洗濯や面会など入院生活を支える支援を行ってきた.
  また,下半期,全ての利用者に対して暮らしの様子や健康状態を把握するため改めて聴き取りを行った.複数の病院に通院していたり,受診や家事支援が必要な人が増えている.健康に配慮した関わりが必要性を増しているといえよう.今後は予防的な取り組みや学習も必要である.

5)日常生活支援,相談
  支援内容としては,健康上の相談,福祉サービスなどの手続きに関する相談,日常生活相談(食事,家事,金銭管理等)が多かった.中でも水道修理を依頼し,業者から高額な請求を受けたり,数万円する健康食品を購入する例があり,消費生活での不安を訴える人がいた.消費生活センター等を活用し,安心,安全の確保を目指した.また権利擁護の視点から社会福祉協議会のあんしんサポート事業に金銭管理を依頼した.より安全で豊かな暮らしのために,他機関との連携は重要である.

 グループホームではそれぞれの目標に向かって生き生きと暮らしている人がいる一方で,高齢のため,体力が落ち,引きこもりがちになる人がいる.また働きたいのに就労へのきっかけを持てずにいる人がいる.相談を通じて1人1人の内なる思い,希望を共有し,健康で張り合いのある暮らし実現のため,共に歩んでいくことが今後も大切である.(鈴木 恵)