法人事務局

「社団法人」とは民法34条で規定され,一定の共同目的のため1つの組織として意志を持って行動するのが特徴です.
*社員(やどかりの里では会員と呼ぶ)という構成員が存在すること.
*法人の基本事項が定款によって定められている.
*会員全員で構成される総会が最高の意思決定機関として置かれ,会員は総会を通して多数決の原則によって機関を監督し,社団法人の運営に参画する.
ということになります.

 社団法人やどかりの里の定款 第3条に共同目的にはこう記載されています.
定款 第3条 この法人は精神障害を有する者及び精神的な問題のために社会適応の困難な者に対する社会復帰及び精神的健康維持のために必要な相談,指導及び援助を行うと共に,地域社会に精神衛生活動を広めることを目的とする.
 これを現在のやどかりの里の活動の理念に当てはめると「障害があってもなくても地域の中でごく普通 に,あたりまえに市民として生きていく,それにはどのような支援態勢が必要なのか一方的な援助関係ではなく共に考えていきたい.効率優先の社会ではなく,一人一人の生き方が尊重される街づくりを目指しましょう」このようなものになるでしょう.そしてこの理念に賛同してくださる方はどなたでも会員になることができます.


会員の種類と会費納入先
 法人正会員   年会費1口 10,000円
 支える会会員  年会費1口 2,000円
 会費納入先   郵便振替 160-5-129879
         加入者名 社団法人 やどかりの里


会員の方には毎月1回機関紙「やどかり」が,年1回「所報」等活動報告集をお送りいたします.

 


<平成20年(2008年)度事務局事業計画>

1.総務

 やどかりの里の活動,運営する事業の根本となる運営主体の法人事務局として,引き続き安定した組織運営を行い,社団法人の会員のみならず,支援者を広げていく.

1)社団法人の事務局として
@ 2008年12月より公益法人制度改革関連3法が施行され,この新法による公益認定が開始される.以後5年以内の公益社団法人への移行を選択するために,政省令に適した必要な環境整備を行い準備を進める.
A やどかりの里のプライバシーポリシー及び危機管理マニュアルを策定する.

2)労務管理
@ 必要な職員を確保し,民主的,健康的な職場環境を今年度も維持していく.
A 労働法関係の改正に伴い,関係する就業規則を随時変更していく.

2.財務

1)会計処理
  新公益法人会計基準による会計処理を順調に維持する.財産,収入支出の有り様は公益認定の際に重要な判断基準となるために,確実に処理をしていく.

2)事務の負担への対応
  障害者自立支援法にもとづく新事業開始に伴い予測される請求事務の増大に対応していく.そのために事務員の確保をはかる.

3)安定的な運営への努力
  各事業の運営費補助金,委託費等公的な資金,法人の事業収入,寄付金,研究助成金等あらゆる財源を組み合わせ統合し,新事業移行後の運営資金の配分,有り様を検討していく.


<平成19年(2007年)度事務局事業報告>

1.ビジョン検討委員会

 やどかりの里は2009年8月に40周年を迎える.同時に障害者自立支援法(以下自立支援法)による事業移行の具体的検討も必要となる.そこで2005年度に立ち上げた障害者自立支援法対策本部を発展的に解消し,やどかりの里ビジョン検討委員会を立ち上げた.目的はやどかりの里の活動の原点となる理念を再確認し,今後の活動方針とさらには具体的な行動計画を描き出すことである.自立支援法施行により,私たちの活動の本質が揺るがされてしまうような激動の中にある.自立支援法に定める事業の枠に,これまでの活動を当てはめていくと,その事業を維持するための方策に動き,大切な活動の理念を置き去りにしてしまう危険性がある.そこで常に活動を振り返り,何のためにこの仕事があるのか,立ち返るために,この時期改めて理念を確認することが必要であると考えたのである.
  検討は3期に分けて進めていくことにした.第1期はやどかりの里の活動理念と使命を明確にしていくこと.
  第2期は第1期で整理した活動理念と使命をもとに,どのようなやどかりの里をつくっていくのか組織としての全体像を描いていく.
  第3期ではやどかりの里の具体的な取り組み課題を抽出し,その実現に向けた計画と財政的な問題盤を含め議論を重ねていく.
  まず第3木曜会を活用し,グループに分かれて,これまでの活動の中で経験してきたもの,感じたものを語り合った.
「やどかりの里にたどり着くまでは孤独であったが仲間と出会い,受け止められる体験をした」「やどかりの里では1人1人が大切にされ,互いに支え合える場であると感じる.他の苦しんでいる人の支えになりたいと感じるようになった」「自分が何をしたいのかといった主体性を問われる」そして,安心・仲間・受け止められる環境がキーワーズとして浮かんだ.
  第2回の話し合いでは,事前に@ あなたの現場(職場)が大切にしていること,A あなたの現場(職場)が目指していること,というレポートを提出し,グループ討議を行った.健康・いのち・つながりといった言葉が印象的であった.そして「人として生きていくために必要なことに取組んでいるやどかりの里は,場は違っても大切にしたいことはつながっている.それがやどかりの里の歴史であり強みである」という意見も出された.
  その後もゆっくりと時間をかけて,議論を重ねた.対等性,民主的な組織運営,学び合う関係性,多様な価値観を認める,公共性や地域づくり,働くことで得る充実感,出てきたこれらのキーワーズをもとに理念としてまとめたものが「やどかりの里の活動理念」である.(表紙2参照)
  そして,やどかりの里全体を見渡し,また地域の中でやどかりの里に対する期待を把握する中で,活動方針を立てた.そして,具体的な取組みの方向性を描き出すことは次年度への積み残しとなった.精神科医療の問題や,障害のある人の社会保障・権利擁護の問題は一法人だけでは対処できない大きな問題である.解決には時間が必要である.しかしこの大きな課題を忘れては,私たちの活動はあり得ないのだ.
  自立支援法への対応を協議するだけでなく,やどかりの里と地域の未来のために,新たな活動と,創造に向けての準備が始まった1年であった.
(浅見 典子)

 

2.やどかりの里の対外活動

 やどかりの里では,さまざまな対外活動を行っている.また市内や県内,全国でのさまざまな委員等を拝命し,職責を果たした.以下は今年度取り組んだ活動である.

1)全国
<日本精神保健福祉士協会>
  理事として白石直己が出席.
<日本健康福祉政策学会>
  理事として増田一世が出席.
<ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会>
  世話人として増田が出席.
<全国社会就労センター協議会(SELP)>
  福祉工場部会幹事として増田が出席.
<きょうされん>
  精神障害部会に部会員として檜山うつぎが,障害者自立支援法対策本部に増田が,教育研修委員として香野恵美子が出席.
<関東社会就労センター協議会>
  協議員として増田が出席.

2)埼玉県
<(社)埼玉県精神保健福祉協会>
  事業財務委員会に宗野政美が,広報編集委員会に工藤菜乃が委員として会議に出席.
<埼玉県社会就労センター協議会>
  副会長として増田が,雇用問題研究委員会委員として香野が出席.
<埼玉県授産活性化委員会>
  増田が委員として出席
<きょうされん埼玉県支部>
  運営委員として渡辺里子が出席.
<埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会>
  労働部会長,事務局長として香野が,政策委員長として三石麻友美が,生活支援センター部会世話人として鈴木裕貴が,研修委員長として白石が,調査研究委員として渡邉奏子が出席.
<NPO法人埼玉県障害者相談支援専門員協会>
  副代表として三石が出席.
<埼玉県精神保健福祉士協会>
  役員及び研修担当委員として玉手佳苗が出席.権利擁護を考える会世話人として久松明子が出席.

3)さいたま市
<さいたま市障害者施策推進協議会>
  委員として増田が出席.
<さいたま市発達障害者支援体制整備検討委員会>
  委員として大澤美紀が出席.
<さいたま市社会適応訓練事業運営委員会>
  運営委員として大澤が出席.
<さいたま市障害者職能開発推進会議>
  委員として大澤が出席.
<さいたま市地域自立支援協議会>
  委員として,増田,三石が出席.
<さいたま市コーディネーター連絡会議>
  議長として三石が出席.
<さいたま市精神保健福祉地域ネットワーク連絡会>
  実行委員会に三石,大澤,渡邉(奏)が出席.
<さいたま市精神障害者退院支援事業>
  運営委員会に増田が,連絡会に三石,大澤,白石,渡邉(奏)が出席.
<さいたま市障がい者施設連絡会>
  幹事として増田が,政策委員として三石が,事務局員として檜山が出席.
<さいたま市精神障害者社会復帰施設連絡会>
  やどかりの里内の社会復帰施設及び相談支援事業所が出席.
<さいたま市中央区障害者団体協議会>
  理事として檜山,椿原亜矢子が出席.
<さいたま市精神障害者小規模作業所連絡協議会>
  書記として中村由佳,檜山が出席.
<大宮障害者施設連絡会>
  研修部としてやどかりの里の5か所の社会復帰施設が出席,会計を三石が担う.
<きょうされんさいたま市ブロック会議>
  事務局員として渡辺(里),椿原が出席.
<協働ネットさいたま>
  世話会に宗野(政),檜山が出席.
<さいたまエコ・アグリパーク設立準備会>
  事務局次長として増田が,宗野(政),金子猛が会議に出席.
<配食ネットワーク見沼>
  金子が会議に出席.

 

3.総務         

1)各会の開催

(1)総会
  第36回通常総会は5月26日(土)に,やどかり情報館において開催された.開会の挨拶で土橋理事長は以下のように述べた.「チェコ少女合唱団コンサートの開催は大盛況のうちに終えることができた.地域や支援者との連携,ネットワークの広がりがもたらしたものであると実感できた.一方高齢化の問題や労働支援などやどかりの里が抱える課題はたくさんある.今日も十分審議いただきたい」
  年度末の会員総数は335名であり,282名(うち委任状提出者217名)が出席し,定款第24条の規程により総会は成立した.

・平成18年度事業及び決算報告承認
  自立支援法の影響や,改善運動・対策の取り組み等,やどかりの里で立ち上げた対策本部等を中心に報告された.財政状況,決算状況について説明のあと質疑応答があり,その後全員一致で平成18年度事業及び決算報告は承認された.
・平成19年度事業計画及び予算案審議
  40周年を目指したやどかりの里のビジョン検討委員会の立上げや事業移行を目指した新事業など事業計画案に基づいて報告された.その後予算案の審議では今年度より導入する新公益法人会計基準による会計処理の説明があった.異議なく全員一致で承認された.
・定款変更承認の件
  新会計基準導入により決算書類の保存期限が5年から10年に変更が必要となるが,全員一致で承認された

(2)理事会
  今年度は年度途中で香野英勇理事が辞任したが補充はせずに会務にあたった. 
  理事会は6/30,9/11,11/9,1/11,3/21とこれまでに5回開催された.審議内容は,ビジョン検討委員会が導いた活動理念を再検討すること,障害者福祉政策に関する情勢の確認,職員採用の承認などであった.また相談支援事業所の引越,居宅介護事業の開始など,当初予算立てが不明確であったものがあり,資金計画について検討をした.               

(3)責任者会議
各所の管理職(チーフ)9名により月1回開催.やどかりの里の日常的な業務の調整機能を果たしている.また理事会で諮るべき事案や報告事項をとりまとめた.
@ 新しい取組みの情報共有や協議
・家族支援
・協働ネットさいたま 
・労働支援
・プライバシーポリシー 
・やどかりの里の活動理念
・居宅介護事業
その他新事業移行ための作業部会の報告
A 障害者施策関係の情報共有と協議
自立支援協議会を始めとする市内県内の委員会・協議会(P16参照)へ委員として出席している職員より状況報告や,やどかりの里としての対応を協議.
B 県内,市内の精神保健福祉団体及び他団体とのネットワーク強化を目指したさまざまな協議会,連絡会等の活動の進捗状況や結果報告及び情報共有
C 全国組織の動向確認
D 各施設・事業の状況分析と今後の課題検討
E 職員人事関係
新規採用,退職,部署異動を含む人事の現状検討及び確認.
F 法人全体行事の協議,企画,運営
総会,里祭,新年会等社団法人会員への行事の企画運営.
G 第3木曜会の企画,運営
H 機関紙1面記事の検討
I 各学術大会や研修会への職員派遣検討              

(4)第3木曜会 
  月に1度第3木曜日に開催.今年度はやどかりの里の活動理念と具体的な課題を明確にするためにビジョン検討委員会としてこの場を活用してきた.グループワークを行い,参加者誰もが話しやすい場づくりを心がけた.その他社会情勢や法人全体行事(バザー・コンサート)の情報共有が行われたが,主に以下の内容であった. 
  4/19 第1回 ビジョン検討委員会.大バザー開催報告,コンサートチケット販売状況報告
  5/17 第2回ビジョン検討委員会
  6/21 第3回ビジョン検討委員会
  7/21 第4回ビジョン検討委員会
  8/ 2 里祭
  9/20 第5回ビジョン検討委員会,新事業移行作業部会の報告,プライバシーポリシーの考え方,やどかりの里会館の施錠時間変更報告,10/30全国大フォーラム参加の通知.
10/18 第6回ビジョン検討委員会.民主党の「障がい者自立支援法公益負担廃止法の概要」について,障害者権利条約の政府署名,10/30 全国大フォーラム案内.
11/15 第7回ビジョン検討委員会,10/30全国大フォーラム参加報告,自立について意見交換
12/20 文章化した活動理念について検討,精神障害のある人のグランドデザインを今後の検討課題とする提案,きょうされんブロック会議参加者報告
  1/17 やどかりの里の活動を改めて知るためのグループワーク
  2/21 平成19年度の活動総括

2) 公益法人制度改革

 政府による公益法人制度改革の動きは進み,埼玉県を始めとして移行手続きのための研修会等が開催された.また新法施行後に移行する法人形態についての,アンケート調査も活発であった.やどかりの里は新法での公益社団法人を選ぶべく,準備を進めている.公益目的の事業を行っていること,財務内容は適正であるか種々認定の基準があるが,現在問題はないと把握している.まずは財務内容把握のためにも4月より公益法人新会計基準にて会計処理を行った.新制度の施行は平成20年12月,それから5年間が移行期間となるので,その間に新法人の認定を目指していく.

3)会員交流事業 

 8月2日に約50名が参加し,里祭を開催した.里祭は1970(昭和45)年8月15日に誕生したやどかりの里を祝う行事である.本年は「3年後のやどかりの里と私」というテーマでゆっくりと語り合う時間を持った.近年活動が広がり組織も拡大した.やどかりの里は休む間もなく走り続けている.そんなときだからこそ,“3年後にやどかりの里も自分もこうであったらいいな”と夢を語り合える今年の里祭はゆったりとした,しかしエネルギー満ちた時間となった.第2部は会食会になり,小規模授産施設まごころが用意した特製料理は,パワーを充電した参加者たちであっという間になくなった.
  10月30日の日比谷公園で開催された「全国大フォーラム」参加のため,やどかりの里始まって以来という大型バス2台をチャーターした.参加者からは遠足のようで楽しかったと評判もよく,今後の新しい会員交流事業の兆しとなった.
  12月28日は年越しの会を開催,浜砂会の協力でそば,炊き込みご飯などが用意され,1年間を振り返った.また1月4日は「新年顔あわせ会」を開催し,“まごころ”の特別料理を囲んだ.       (浅見 典子)

4)機関紙『やどかり』の発行 
 
  各活動を代表して編集委員が出席し,毎月1回行われる編集会議を開催した.記事の内容や紙面づくりについて検討してきた.毎月約1,000部発行.
  今年度は,編集会議のほかに拡大編集会議を2回行い,機関紙のリニューアルに向けて検討した.機関紙には,全国の会員に向けてやどかりの里の活動を伝えていくこと,活動を記録化することの2つの役割があることを確認し,編集委員1人1人がこれらの役割を意識した記事内容を作っていくこととなった.段階的に,やどかりの里に関わりの深い人たちの紹介ページとして,バザーに合わせた連載となったボランティアの方々へのインタビュー記事を掲載した.また,コンサートに尽力下さった中村雪武氏や研究所の運営委員の方々など,多くの方に執筆のご協力をいただいた.
  来年度も,多くの人に読みやすく,伝わる内容となるよう,引き続き編集会議で検討していきたい.        (玉手 佳苗)

5)人事労務管理 
 
  本年度は常勤職員新規採用は3名,非常勤職員は短期の雇用を含め5名が採用された.また退職は1名であった.育児休暇を終えた職員が1名復帰し,替って産休・育休取得者が1名,傷病による休職者が1名である.福祉の世界は人手不足が常態化しているが,幸いやどかりの里は大幅な欠員なく乗り切れた.とはいえ休職者もあり,利用者は増え,果たすべき職務は増大の一途である.職員は昨年度にも増して負荷のかかる仕事をこなし,乗り切ってきた.
  労務関係の事務(社会保険,雇用保険,労働協定,就業規則の改定等),諸手続は社会保険労務士に一任した.労災や傷病手当金,産休育休手当,高額療養費の請求など雇用関係の諸申請が多かった1年であった.職員はもとより働くメンバーが増えたことが一因であろう.
  定年制度は2月21日付けで63歳へ延長し就業規則も改定した.
  健康診断は法人職員,授産施設利用者,援護寮入居者は年1回,福祉工場従業員は年2回実施した.(7/6,2/8)

6)庶 務

 本年度も各種保険(賠償責任保険,傷害保険,火災保険,自動車保険)の集中管理と更新手続,各種委託契約,税金関係(所得税,住民税,自動車税の減免,法人税,消費税)の申請や納付を処理してきた.所得税の法定調書,給与支払報告書は電子申告(e-tax制度)を利用したことは新しい取組みである.
  ホームページの管理及び情報公開は,今年度もやどかり印刷に委託をしたが,迅速な情報提示は,外部の方々から高い評価を得ている.

7)ボランティアの受け入れ

 バザーでは約140名のボランティアが参加した.組織を上げて年間行事の一環として参加して下さる団体もあり感謝に堪えない.その他日常的に,食事づくりや弁当の配食,作業所の軽作業等今年度も多岐にわたり多彩な方々より協力を得ることができた.
(浅見 典子)

 

4.財 務

1)全体状況

 本年度より会計ソフトを一新し,新公益法人会計基準による会計処理を行い,なおかつ福祉工場と授産施設の授産活動である「エンジュ」「まごころ」については,就労会計基準で処理を行うようになった.これは公益法人制度改革並びに将来の自立支援法下での事業移行を視野に入れたものであった.新しく古屋博史税理士に顧問をお願いし,新基準に基づき,やどかりの里の資金の整理を行った.そのために,中川の地にやどかりの里の本館が建った時期の中央競馬会の助成金,あるいは社会復帰施設が建った平成2年にさかのぼり,土地取得のための寄付金や建設のための国庫補助金など精査が必要となった.また就労会計では,製造原価が販売原価かで税法の扱いも変わるため,判断には慎重を期した.このような戸惑いはあったものの会計処理は順調に進んだ.
  本年度の予算総額は約373百万円,うち232百万円が公的な資金であり,およそ全体の62%を占めている.

2)補助金関係

 自立支援法の施行に大きく翻弄された昨年に比べ,今年は落ち着いた1年であった.昨年度の未収の補助金のうち地域活動支援センターの1,800万円は4月初旬に,小規模作業所の国庫補助金(合計550万円)も5月末には入金となった.さいたま市の補助金は年4回の概算払いで順調に入金があったため,やどかりの里全体として内部留保で資金は回転できた.一方,グループホームや短期入所事業は実績払いになり障害福祉サービス費の入金は2か月後である.また今年度は精神科だけでなく他の疾患で入院する方も多く,入金額は変動した.障害福祉サービス費は,10月より電子メールによる国保連合への請求となったが,職員の奮闘により滞りなく進んでいる.
  しかし,先行きを見通すと楽観できる要素は何もない.作業所の国庫補助金にしても平成20年度で終了する.また国の自立支援法コスト対策関係の追加補助金に至っては,移行した施設のみ助成が受けられ,精神障害者社会復帰施設は外されている.

3)共同募金配分金関係

 埼玉県共同募金会からは1か所40万(合計200万円)の配分があり,小規模作業所の運営に使用された.また防災減災活動支援として100万円の支援を受け,防災倉庫を中川に設置した.

4)その他
  自己資金の獲得を目指したチェコ少女合唱団≪イトロ≫コンサートと大バザーは目標額を達成することができた.
  補助金以外では,さいたま市退院支援事業の委託は2年目となり480万円,フィリップモリスジャパンの市民活動助成の継続事業で180万円,労働支援研究助成金100万円があり,これらで目的の事業を遂行した.
  やどかり情報館建設時の長期借入金は事業収益より予定通り400万円を返済した.
  消費税は18年下半期,19年上半期併せて2,331,800円(前年度より536,700円増)納付した.事業が拡大し納税額も増えることになった.

5)これから
  今後は居宅介護事業も始まり,上限管理や,障害福祉サービス費の請求事務が増えると予測される.総務においてどのような形で一括集中処理ができるか,人員の配置を含め考えていかなくてはならない.
(浅見典子)